50歳で薄毛治療を体験してみた!【中編】
―[山田ゴメス]―
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ひょんなきっかけから、東京イセアクリニックが新設した「オリジナル毛髪再生プログラム」の体験取材にチャレンジできることになったゴメス記者。しかし、カウンセリングの段階で「なんらかの副作用や痛みを伴う治療もある」という話を聞き、早くも二の足を踏みはじめ……。とりあえず、頭髪治療にあるといわれる“5つ+1つの段階”を、東京イセアクリニックに在籍する毛髪再生のエキスパートの峯岸祐之先生から、じっくりと説明していただいてから、「自分がどの段階の治療を受けるかを考えよう……」と、うじうじ悩み続けるのであった。
◆第1段階:サプリメント治療(およその費用:月3000円ほど)
峯岸先生(以下、先生) 医療というよりは、その手前になるんですけど、サプリメントで髪が伸びるのを助ける。これが一番お手軽だと思います。具体的には、細胞の分裂、つまり成長を促進するビタミンB群。あと、酵素の働きなどを活発にする亜鉛を飲んでいただくのも良いかと思われます。
――この段階での副作用は?
先生:まず、亜鉛は飲むと免疫力が上がります。これはいい副作用です。過剰に摂取しすぎると逆に免疫力が下がってくる危険性もあるのですが、日本人の場合、亜鉛を食事以外から取る習慣がないので、ほぼ全員が慢性的に亜鉛不足なわけです。なので、厚生労働省が決めた安全基準の範囲内の量を守っているかぎりは、安全といってよいでしょう。あと、ビタミンB群に関しては、たとえ摂取しすぎても水溶性なので、おしっこになって出ちゃいますから、より安全です。あえて注意するなら「取りすぎると無駄になりますよ」ってことくらいですね。
――ほうほう……。これならやってみてもいいかな、って思えました。でも、目に見えるほどの劇的な効果は……やはり、期待できない?
先生:ですね……。あくまでここは、日常生活の心構えといった段階ですから。
◆第2段階:プロペシアという薬を飲む(およその費用:月1万円前後)
――なんか、聞き慣れない不気味な響きをもつ成分が出てきはじめましたね?
先生:(苦笑)。プロペシアは、毛根に作用して毛を弱くするといわれている男性ホルモンをブロックする作用を持つお薬です。なので、これを飲むと、「4%の男性が性欲や闘争心の減退を感じる」可能性が生じるわけです。ただ、ブロックするのは、あくまで髪の部分だけなので、ほかの体毛が増えることはありません。
――なるほど。「“男としての機能”が弱くなることを4%の確率で覚悟しなければならないけど、体毛についての心配はない!」といった段階ですね。ちなみに僕は「年のわりにはビンビンだから」と女子に吹聴するのが、いつもの作戦なので正直、躊躇しています……。
◆第3段階:ミノキシジルという薬を頭皮に塗る(およその費用:月7000~8000円前後)
先生:具体的な商品名を挙げると、日本だと『リアップ』、海外では『ロゲイン』。これらの主成分であるミノキシジルを頭に塗ると、毛を伸ばす作用が働くのです。もちろん、頭以外の部位に塗れば、その部分の毛が増えてきます。
――「第3段階」とするからには、プロペシアよりも強い薬ってことですか? 素人的には、塗り薬より飲み薬のほうが、効果が高そうな印象もあるのですが。
先生:いや、どちらのほうが強いというのではなく、プロペシアとミノキシジルじゃ効き方が違うんです。髪の毛というのは、基本的に“伸びたり抜けたりの繰り返し”で、プロペシアは“抜けるのを防ぐ”薬、ミノキシジルは“伸びるのを助ける”薬。だから本来、一番オススメしたいのは、第1段階のサプリメントを含む“併用”なんです。
――これらの飲んだり塗ったりの治療はどのくらい続けなければならないのでしょう? たとえば半年やって効果が出たとしたら、そこでぴたっとやめていいのでしょうか?
先生:残念ながら、半年かけて出した結果は、ぴたっとやめると半年かけて元に戻ってしまいます。脱毛とは、ゆっくりゆっくりと進んでいくもので、いわば“慢性的な疾患”なんです。風邪とか怪我といった急性の疾患とは違うわけで、考え方としては糖尿病や高血圧に似ているのではないでしょうか。糖尿病は、お薬を飲んで“治す”のではなく“いい状態を保つ”わけですからね。なので、“やめどき”は、どうしても個人のご判断におまかせせざるをえないのです。決して体に害のあるお薬ではないので、極論、予算さえ許されるなら一生飲み続けても問題はありません。たとえば、こういう判断基準はいかがでしょう? もし仮に30代の貴男が、同世代のほかの方よりも若ハゲが進行しているとお感じになるなら、それが“平均”へと追いついた時点でおやめになる。現にそういう方が一番多いような気がします。
◆第4段階:ミノキシジルを飲み薬で服用する(およその費用:月7000円前後)
先生:先ほどおっしゃった「塗り薬より飲み薬のほうが効果が高い」という考えは間違ってはいないのです。だから、ミノキシジルの飲み薬が第四段階に該当します。ただ、通常ではあまりお出ししません。なぜなら、体毛が増えるので。塗るだけなら発毛作用は患部だけですみますが、飲めば全身にまで、その作用がおよんでしまうわけです。元々、ミノキシジルは高血圧用に開発されたお薬なんです。そして、そのお薬を飲んでいる方が、副作用として体毛が増えたことで発毛に転用されるようになったんです。
――あまりお出ししない”のが通常なんですよね? だったら、どういう方に、この段階をあえてオススメするのでしょう?
先生:とにかく早く結果が出したいという方ですね。髪の毛には伸びる期間というのがあるので、なにをやったからといって、1ヵ月や2ヵ月で効果を出すのは無理なんです。なので、「3ヵ月は我慢できても半年は待てない!」という、もっと早く結果を出したい方には、自然と次に挙げるフルコースセットを紹介することになるわけです。
⇒【後編】へ続くhttps://nikkan-spa.jp/259199
※記事中の“およその費用”は、あくまで一般的な目安なので、詳細は下記クリニックにお問い合わせください。
<取材・文/山田ゴメス>
【峯岸祐之】
東京大学医学部形成外科医局に在籍後、大手の美容外科クリニックの医療植毛部長として活躍。確かな技術で多くの美容外科手術を行うかたわら、植毛治療や毛髪再生医療の分野にも積極的に関わる。2012年より、東京イセアクリニックの理念に共感し、ISEAに参加。温厚な人柄と豊富な知識による、わかりやすいカウンセリングが好評!東京イセアクリニック 電:0120-963-866(フリーダイヤル・受付時間は11:00~20:00) HP:http://www.tokyoisea.com/)
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)(http://www.ntv.co.jp/99answer/)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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