今が仕込みどき!? スペイン・イタリア国債で荒稼ぎする方法

7月以降、スペイン国債の利回りは一気に7%を突破し、イタリア国債も6.5%という危険水域に……。欧州債務危機はもうひと波乱起きそうな気配だ。が、気になるのは国債の利回りの高さ。買ったら一儲けできそう! ということで、危ない国債で稼ぐ方法を徹底調査した。  ここまで(https://nikkan-spa.jp/285838)はスペイン・イタリアの利回りのうまみについて触れてきたが、くれぐれも大きなリスクを背負うことになることだけは注意してほしい。 「9月12日にはドイツで欧州安定化メカニズム(ESM)に参加することが合憲か違憲かを争っている憲法裁判の判決が下される。ココが一つのポイントになります。」(みずほ総合研究所エコノミストの高田創氏)  ドイツが財政危機に瀕する国のために身銭を切って支援するのは正しいことなのか? この裁判で“違憲”を言い渡されたら、スペイン、イタリアの再生が一歩後退する可能性が高いのだ。慎重に行くなら、“打診買い”が順当か。 「ECBによる国債の買い取りが実現する可能性のほうが高い、という点では今は仕込み時。ドイツの憲法裁判を待って、売り抜けるのがいいでしょう。仮に国債の買い取り枠が予想より小規模にとどまるなどのネガティブ・サプライズが起きたら、私は利回りが7.5%近辺まで跳ね上がったところで、ロングしようと考えています。今週が一番いい仕込み時です。一般に、ヘッジファンドなどはリスクの高いハイリターン商品には資金の2割しか投入しません。スペイン、イタリア国債を買おうという人も同じ。資産の数パーセントの資金で買ってみて、仮に利回りが急騰してしまったら、そこで買い増すというスタンスぐらいのほうがいいでしょう」(グローバルマネーの動きに精通する豊島逸夫氏)  リスクがとれる人は試してみるべし! ◆スペイン・イタリア国債の買い方 【現物】ユーロ建てスペインゼロ・クーポン債 HS証券、かざか証券が販売。残存期間は29年。8月30日時点の参考利回りは6.15%。10万ユーロ単位から 【現物】ユーロ建てイタリアゼロ・クーポン債 同じく、HS、かざかが販売。残存期間は27年。参考利回りは5.49%で、10万ユーロ単位での購入可 【CFD】イタリア長期国債先物(10年債) 唯一、IGマーケッツ証券で取引可能。10万ユーロ単位(0.1ロット)から取引可能。最大レバは50倍 ◆ギリシャ国債を買ったツワモノもいたが……  小誌では、今年4月にギリシャ国債を買った投資家ろくまん氏を取材した。5月償還のギリシャ国債で、その実質年利はなんと430%(!)。とんでもないリターンが見込める夢のような商品だったが、ギリシャの実質的なデフォルトを受けて、その夢は潰えた。保有する国債の50%に関しては債権放棄を強制され、15%はEFSF債、残りの31.5%は新発ギリシャ35年債に切り替えられてしまったのだ。それも、EFSF債は年利2%で35年債は2%から年々上がっていく変動性。430%の利回りに比べたら紙くずだ……。その後の近況を聞こうと、今回ろくまん氏にコメントを求めたが「失敗に終わった投資については、お話しできません」と一言。スペイン、イタリア国債にも失敗するリスクがあることを覚えておきたい。 【豊島逸夫氏】 国際金融市場のスペシャリスト。豊島逸夫事務所代表。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験をもとに素人にもわかりやすく、国際金融、マクロ経済動向について説く 【高田 創氏】 みずほ総合研究所調査本部長。みずほ総合研究所常務執行役員。著書に『金融市場の勝者―銀行・ファンド・企業、複線化する金融』(東洋経済新報社刊)など 取材・文/上野 智(ミドルマン) 池垣 完(本誌) 図版/ミューズグラフィック ― 利回り6%超!スペイン・イタリア国債で荒稼ぎする方法【3】 ―
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