クルマ好きのためのマニアックなエコカーが登場
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
VWから登場した軽自動車並みに小さいクルマのup!。見た目のかわいさと値段の安さ、そして輸入車ではダントツの燃費の良さと三拍子そろったドイツの超小型節約兵器だ。対するは、もはや説明不要の世界の燃費皇帝プリウスと新型ミラージュ。VWの末っ子に胸を貸してやりました
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆ドイツが誇る超小型節約兵器襲来!燃費核兵器と貧者の核で迎え撃ってみた!
ハイブリッドカーが売れているのは日本とアメリカだけで、中国や欧州、その他発展途上国ではまるでダメだということは、もう30回くらい書きました。
しかしそれでも、ハイブリッド技術は日本の宝。日本のような低速交通環境では、無敵の低燃費を叩き出す。いくらドイツ人が「アウトバーンではディーゼルのほうが速くて燃費がいい」と言っても、日本やアメリカにはアウトバーンはない。ハイブリッドの勝利だ!
が、敵もさるもの、次なる刺客を放ってきた。それがこの、VWの「up!」なる小型節約兵器である。
サイズは、軽自動車を叩いて潰したくらい。長さと幅はあるが背は低い。そして口の周りに泥棒ヒゲ。なかなかカワイイじゃないか。
エンジンは、ターボもついてない3気筒の1000ccという節約設計、ミッションは変速のときにガックンとなる5速セミATだ。お値段は149万円からと、国産コンパクトカーに迫る安さで、日本のカタログ燃費も23.1km/リットルと、輸入車としてはダントツ1位である。
室内の広さでは軽にもぜんぜんかなわないし、維持費の安さも軽の大勝利。up!はガソリンもハイオクだ。つまりこの刺客、真の節約戦争では最初から敗北が確定しているが、なにせドイツ最強の燃費兵器。日本の誇るケチケチ軍団と激突させないわけにはいくまい。日独節約対決のゴングが鳴るぜ!
国産勢一番手は、世界のプリウス。説明無用である。そして、up!と同じく3気筒1000ccエンジンを積む、新型三菱ミラージュを用意した。燃費核兵器と貧者の核の両刀で迎え撃とう。
横浜のみなとみらい地区と首都高を、3台連なって合計20kmばかり走った結果は……。
【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/306360
『up!』車体の画像はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=306370
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