カーライフ

世界一の故障伝説を持つクルマを買えば勇者になれる!?

いつの時代も、大好きなクルマの自慢話ができる仲間がいるということは、本当に幸せなことであります。たとえ2500万円超の最新フェラーリと、その約10分の1のド中古デルタであっても、クルマバカの話は尽きません。今回は、バカ2人による愛車自慢対談にお付き合いください MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu フェラーリ,ランチア 諸君らド底辺サラリーマンは、ド底辺のくせに、クルマバカのことをバカにしていることだろう。なかでもいまさら愛車自慢をするヤツなんざ、バカ中のバカだと思っているだろう。  そんな諸君らに、サワヤカなバカ対決をお見せしよう。  このたび、2580万円にてフェラーリ458イタリア(2010年製・中古)を買った不肖MJブロンディと、245万円にてランチア・デルタ・インテグラーレEVOII(1994年製・ド中古)を買った伊達軍曹(輸入中古車研究家)の、愛車自慢である。 MJ:キミがデルタを買うと言ったら、一部マニアから、ネット上で賞賛の声が相次いだね 伊達:ですね。やっぱり世界一壊れるという伝説があるからでしょう。デルタを買う者は、今でも勇者なんですよ MJ:確かにデルタの故障伝説は凄い。俺が初めてフェラーリを買った19年前、「フェラーリは世界一壊れる」という迷信が世の中を支配していたけれど、それでも「デルタよりはマシ」って噂で、それが心の支えだった 伊達:壊れそうなクルマに乗る者は、尊敬されますね MJ:アクセル全開にするとオイルフィルターが吹っ飛ぶっていう噂、本当なの? 伊達:まだ吹っ飛んでないです。買って3か月ですけど、故障ゼロです MJ:それは、世間の期待を大いに裏切ってるね…… 伊達:先達の話によると、「そのうちエンジンルーム内のゴム類が全部溶け始めるから大丈夫」だそうです MJ:早く溶けてほしいね 伊達:ですね MJ:溶けないと、デルタの意味がないよ! 伊達:まだ溶けないので、実用車として重宝してます。エアコンの効きは少し甘いですが MJ:エアコン、効くの!? 伊達:効きます、一応 MJ:それも、世間の期待を猛烈に裏切ってるね…… 伊達:ところで、フェラーリ458は尊敬されますか? MJ:まあね(笑)。このご時世、富裕層でもないのに、そんな高いフェラーリ買うなんて! って、宇宙人的に尊敬されてるよ 伊達:確かに宇宙人的です。クルマも宇宙船的です MJ:狂ったように速いよね 伊達:狂ってますね。もはや地球上の乗り物とは思えません。我々が教習所で習った常識はすべて通用しないと思います MJ:ハンドル切ると、凄いことが起きるよね 伊達:ちょっと切っただけでUFOのように曲がるので驚きました。一般の方が運転したら、なんでもないカーブで、内側のブロック塀に激突 すると思います MJ:曲がりすぎちゃうよね 伊達:曲がりすぎちゃいます。加速も凄すぎる。こんな性能が必要なんですか? MJ:必要なわけないじゃん。ただ、高みを覗いてみたいんだ。エベレストに登ってみたいんだよ! 伊達:アホですね…… 【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/292177
「非富裕層がフェラーリ458イタリアを買ったら何が見えるのか?」
― どっちがバカか愛車対決!【1】 ―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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