東京白金と日経225の相関に妙味あり
―[「狙い目は白金」これだけの理由]―
依然として続く欧州の金融不安。通貨、国債などへの信用リスクが嫌気されている今、商品に注目する投資家は多いことだろう。しかし、「株、為替がダメなときは商品」の法則に異変が起きているという。新時代のコモディティ市場でガッツリ儲けるコツを伝授しよう!【後編】
⇒【前編】「株がダメならコモディティ」の方式に異変あり https://nikkan-spa.jp/326155 「景気が悪いときは『金投資が鉄板!』といわれていますが、この人気を受けて高値圏にあった金が、ここ半年は高値を更新できずにいます。単純に金を買えば儲かるという図式ではないように思われます。長期的に見れば、世界各国の金融緩和で通貨の価値が下がり、代替通貨として金は上昇するかもしれませんが……」 そう語るのはアナリストの吉田哲氏。もはや「不況時には金を買え」という流れも常識ではなくなりつつあるというが、そこで、吉田氏が目をつけているのが白金。 「このコモディティ相場の異変は金と白金の組合せでも起きています。もともと流通量が少ないなどで白金のほうが高いのが通常でした。ですが、最近は世界経済の減速などもあり白金が下落して金よりも安くなっています」 見方によっては、白金は安値圏にあるとも考えられるが……。 「白金は工業用需要の割合が大きいので金よりも値幅の変動率は大きい傾向があります。また、白金の主な産地は南アフリカやロシアですが、南アフリカの鉱山では劣悪な労働環境に対して賃上げを要求するストライキが頻繁に起こって値動きに影響を与えています」 漠然と「白金を買って持っていれば、上がるだろう!」と思うのは危険なのだ。 ⇒金と白金の価格差【画像】はコチラ
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=326188 ◆プラチナと日経225に相関性が生まれた!? そこで、吉田氏が着目したのは新たな相関が生まれつつある日経225との関係性だ。 「まだ、あまり知られていないかと思うのですが、東京白金は日経225との相関性が認められます。もともと、違う動きをしていた両者ですが、’10年に入ってからのチャートを見比べるとほぼ同じ動きをしていることがわかります」 コモディティと株という別の指標だが、何故か相関性が生まれているのだ(ちなみにここでいう白金とは東京白金先物のことを指し、NY白金先物とは別物である)。 「この理由はまだ正確にはよくわかりませんが、自動車関連ではないかと睨んでいます。日本経済の根幹を支えるのは自動車産業ですし、装飾品以外ですと、白金は自動車部品に多く使われていますしね。日本の自動車産業が活性化すれば、日本の株も好調になるでしょうし、同時に自動車部品に使われる白金の需要が増えるということは白金価格も上昇します。そこで、この2つの乖離を調べ、乖離が大きくなったときに、一方を買う。価格差はいずれ戻るという前提ならば、利益のチャンスです」 つまり、日経225が上がり、白金が下がって乖離が生じた場合、白金を買うか日経225を売るという戦略になる。どちらか一方だけ取引してもよいし、両方取引するという手もあるとか。 「私は、金と白金の相関性は以前よりは認められなくなったと思っています。今のタイミングであれば、東京白金と日経225の組み合わせのほうがベストでしょう」 日経225と白金の相関性が続く限りは儲けられそうなので、試してみる価値はありそうだ。 ⇒日経225と白金の相関性【画像】はコチラ
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=326189 【吉田 哲氏】 ドットコモディティ社アナリスト。コモディティの動向に詳しい。コモディティ専門情報サイト「Commodity-Board」にリポート寄稿も ― 「狙い目は白金」これだけの理由【2】 ―
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