【将棋電王戦第5局観戦記】トップ棋士に勝ったコンピュータの「見たことがない仕掛け」
―[第2回将棋電王戦]―
4月20日、将棋のプロ棋士5人と5つのコンピュータ将棋ソフトが対決する『第2回 将棋電王戦』の第5局が、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた。最終局・大将戦となる本局は、プロ棋士・三浦弘行八段と、コンピュータ将棋ソフト「GPS将棋」の対決。ここまでの『第2回 将棋電王戦』の対戦成績は、プロ棋士側から見て1勝2敗1引き分け。したがって、三浦八段が本局に勝てば引き分け、負ければプロ棋士側の負け越しが決まる大一番となった。
三浦弘行八段は、群馬県出身の1974年生まれ。1992年にプロ入りし、1996年には羽生善治七冠(当時)を3勝2敗で破って「棋聖」のタイトルを獲得。通算で竜王戦1組に7期、順位戦A級に13期在籍し、2010年には「名人」への挑戦経験もある。本年度の第72期順位戦では序列2位につけており、現在タイトルを保持している渡辺明竜王(竜王・棋王・王将)、森内俊之名人、羽生善治三冠(王位・王座・棋聖)らに次ぐ実力の持ち主だ。プロ棋士側の大将にふさわしい、現役バリバリのトッププロと言えるだろう。
- 対局開始直前の三浦弘行八段。
- 「GPS将棋」開発者・金子知適氏。左は本局の観戦記を担当する小説家・夢枕獏氏。
- 三浦八段の先手で初手▲7六歩。
- 「GPS将棋」の本体は、東京大学駒場キャンパスの情報教育棟にある。
- 「GPS将棋」開発者・田中哲朗氏。背後に見える教室内のiMacは、すべて「GPS将棋」の指し手の探索に使用されている。
- 「GPS将棋」の心臓部となる13台のサーバが設置されたラック。内3台は詰将棋探索用、1台がクラスタを制御するマスターサーバだ。
- 左から「GPS将棋」開発者、竹内聖悟氏、金子知適氏、森脇大悟氏。東京大学のサーバからネットワーク経由で指し手を受信している。
「わからない」から面白い。この一局は将棋の魅力に満ちていた ◆三浦弘行八段 vs GPS将棋 PV – ニコニコ動画:Q http://www.nicovideo.jp/watch/1365807103 ◆第2回将棋電王戦 特設ページ http://ex.nicovideo.jp/denousen2013/
―[第2回将棋電王戦]―
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