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馬淵民主党幹事長代行が政権時代の反省と問題点を分析

馬淵澄夫民主党幹事長代行,民主党

馬淵澄夫民主党幹事長代行

 2009年の衆院選の大勝から昨年の衆院選で大敗し、野党となった民主党。今回の参議院選挙のスローガンは「暮らしを守る力になる。」で、サブコピーは「民主党は再生の第一歩を、文字通り地域を歩くことからはじめました。ひたすら歩き、皆さんの声を聴く」だ。メインビジュアルは海江田万里代表が歩いているものとなっている。

 いわば、政権時代に「聴く」が足りなかったことを反省しているかのように見えるが、実際はどうなのか。今回の選挙で民主党はいかに戦うのか。現在参院選候補者の応援のため全国各所を周っている馬淵澄夫民主党幹事長代行に話を聞いた。

◆民主党の政権時代の反省と問題点の分析

――民主党政権は鳩山由紀夫首相時代の米軍基地問題等に端を発する米国との関係悪化や、離党する議員が相次いだことなどを含め、我々国民としてはあまり良い印象がないのですが、今回の選挙戦ではどんな感触を得ていますか?

馬淵:選挙が始まった後の数日間は、全国を周っていてよりきつい感じがしますね。去年の衆院選はまさに自爆で負けましたが、あれだけの大敗を喫して今回の選挙に挑むのに、まだ党として意識を合わせ、「一点突破でやる」という意識が有権者には見られていません。まだ争点の設定ができていないと思われているのでしょう。これからの選挙戦では明確に民主党の争点をお見せしていきたいです。

――政権時代の最大の問題はどこにあったとお考えですか?

馬淵:誤った政治主導にあったと思っています。政権運営というものは、党のガバナンスをし、霞が関と政府全体を動かしていくものです。与党が中枢となって、内閣を運営しなくてはいけないのですが、その中の重要要素である霞ヶ関を運営するスキルが十分ではありませんでした。いかにしてそのスキルを築きあげなければならないかを考え、民主党が生まれ変わらなくてはいけません。

 反省を述べますと、私達には党内で決めたことを外部に波及させるときにどうすれば外部が納得し、その方々が自分ごとにできるかという議論の仕方、物事の決め方ができていなかった。それがないままに政権の内部に座ったわけですね。霞が関からすると、私達の姿は「政権取ったんだから言うことを聞け!」と言っているかのように見えたのかもしれません。

――なぜ、あそこまで離党が相次ぎ、内ゲバみたいなことだらけだったんですか?

馬淵:意見集約のプロセスに問題がありました。同床異夢の人がいて、そこの中で分裂が起きたわけです。大元で分裂が起きたため、その下部組織である官僚も機能停止になってしまったのです。今、小さな組織に我々はなったとはいえ、党員、中央組織、議員間の意見集約の方法などを次の衆院選までの3年間で作り直し、回復させます。今回のマニフェスト作り・参議院選挙はその第一歩でもあります。

――今の状態は離散しなかった人々が残ったわけで、同じ考えの人がいるから良い状態と言えるのではないでしょうか?

馬淵:いや、そうじゃありません。考えが違う人が集まるのはダメなことではないんですよ。民主党もあくまでも生活者の視点で、上から目線ではなく、ボトムアップで作り上げていこう――そういった考えを持った人々の政党です。あくまでもマーケットインで、市場からの求めに応じて行政からの施策を作るという考えを共有した人々の集まりです。

 2009年の段階では、「政権交代という一つの考えを共有できたのだから。他のところはさておき……」という意識でした。一つの考えさえ共有しておけば何とかなるだろう、と思っていたのですが、これでは政権を維持することの大変さが良く分かっていなかったと言えます。そういったことは政権運営を3年3ヶ月して身を持って体験しましたよ。

◆今、なぜ敢えて“泥船”の民主党に残っているのか?

――政権時代に離党者が相次ぎましたよね。小沢一郎さんの一派が新党を立ち上げてゾロゾロとついていったり。あとは維新に対して世間の追い風があるからと「泥船から逃げるか」なんて思っては出て行った日和見主義の議員もいたりしました。馬淵さんが残った理由は何ですか?

馬淵澄夫民主党幹事長代行,民主党馬淵:既得権益を打破して、生活者視点で普通に暮らしている人たちの代表になれるのは民主党だけだと思ったからです。私がここで言ってる「普通に暮らしている人たち」というのは、大きな所得を得ている人とかではなく、日々の生活を充足させようとしている人達のことです。

 誰もがヒルズ族になりたいワケではありません。夜の8時になったら人通りも少なくなり店も閉まり周囲も暗くなるような地方であっても、ここで結婚し、子供を育て、家庭を作りたい、暮らしていきたいといった地域の人々の代表が私たちです。そのような考えを持った政党で政権まで取ったのは民主党だけです。そして、日本の穏健保守の発想からリベラルな発想も受け入れられて、自民党に対峙しうる政党だからです。

 昔から自民党がやってきた政治は業界団体を取り集めて、金と票を取る政治です。政権に返り咲いたいと思ったらすぐさま業界団体を締め上げるあの姿を見ると、自民党とはやっぱり相容れません。私自身は今まで一円たりとも企業団体献金を受けていませんから。そう考えると私にとってはこの政党しかないのですね。だから、なんとしても、この政党を復活させて、政権を担う存在にしたいんです。だからこそ私は民主党の代表選に出ましたし、今は幹事長代行の職を全うしようと思っています。

――でも、今はハッキリ言って逆風ですよね?

馬淵:今の民主党がどう変わっていくかをキチンと示さなくてはいけません。いかにして我々民主党が「国民の生活を守る」という存在になるのか、どういう方向でそうなるのかがまだ見えにくい状態です。今のメッセージの発し方は、アベノミクス批判から入っているように見えます。マニフェストを見ると、アベノミクスを良とはしない、というトーンになっていますね。すると、批判を重ねているだけにしか見えないんですよ。参院選の二日目が終わった時に、有権者の空気にそこが漂っていました。「自分たちのことは棚に上げて批判ばっかりして……」と。これじゃダメなんです。

⇒【後編】「アベノミクスは否定しない」へ続く http://nikkan-spa.jp/472675
<取材・文/日刊SPA!取材班>




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