【与党関係者】都議選圧勝でも不安募る理由
都議選は予想以上の自公圧勝。自民党は42選挙区に59人を擁立して全員当選。公明党も20選挙区に23人を擁立して、同じく全員当選。対する民主党は44人の候補者を立てたが、15議席止まり……。誰がどうみたって、圧勝だろう。当然、7月に控えた参院選もすでに自公圧勝ムードが漂っている。だが、実は一部では公明党の苦戦もまことしやかに囁かれているという。創価学会関係者が話す。
「全員当選で公明党は圧勝、圧勝言っていますが、実際には都議選の結果を経て、参院選を不安視する声も上がってきています。というのも、得票数で見ると前回の都議選(2009年)よりも10万票も減っている。公明党には浮動票なんて流れてこないので、ほぼすべて学会の固定票です。それなのに激減したとなれば不安の声が上がるのも当然です。圧勝とはいえ、公明党執行部に対する不満から、支持が離れていっているのは明らかでしょう」
今回の都議選で公明党が獲得した票数は63万9160票。2009年都議選は74万3400票だったので、ちょうど10万票減った計算。今回の投票率が過去2番目に低い43.5%だったと考えると得票数の減少も致し方なしと思えてしまうが……実は40.8%で過去最低の投票率を記録した1997年も、公明党は70万5000票を獲得して24議席を確保している。1993年までさかのぼれば、60万票にとどまった時期もあったが、以降、70万票以上を死守してきたのだ。
さらにいえば、過去最低の投票率だった1997年の都議選における公明党の“得票率”は18.74%で、同じく44%を下回る低い投票率を記録した2005年都議選でも得票率は18%と高水準だったにもかかわらず、今回は14.1%止まり。浮動票に左右されにくい低い投票率の都議選でこそ強さを発揮していたのに、今回は伸び悩んでいるのだ。一体、なぜか? 政治ジャーナリストの藤本順一氏が解説する。
「おそらく、学会を中心とした支持者の間に公明党に対する不信が募っているのだと思います。“平和の党”を標榜してきたはずなのに、敵地攻撃能力や海兵隊的機能の保持を訴える自民党とベッタリ。さらに、公明党は大阪では“維新”と協力関係にあります。選挙協力もすれば、慰安婦発言を巡って大阪市議会で橋下徹大阪市長の問責決議案が出されたときも公明党は最終的に反対に回りました。9条改正にも言及している橋下氏との協力も、本来なら平和の党としては受け入れられないことのはず。こうした不満が溜まった善良な学会関係者などが、今回の都議選で公明党に投票するのを取りやめたのだと推測しています」
実は、こうした微妙なひずみが見えているのは公明党だけではない。自民党もしかりだ。地方紙記者が話す。
「都議選の前には、さいたま市長選、千葉市長選、名古屋市長選、静岡知事選で自民党が支持した候補が相次いで敗れました。特に静岡知事選では、党幹部が相次いで応援に駆けつけましたが、民主党やみんなの党が支持する現職に敗れた。静岡は地方のなかでも製造業に対する依存度が高く、比較的アベノミクス効果を実感しやすい土地でもある。農家も多く、TPP推進派の自民党に対するアレルギーもあったのは事実ですが、都議選の圧勝を参院選と結びつけるのは早計でしょう」
「与党が圧勝しすぎると国会のチェック機能が低下する」と警鐘を鳴らす専門家も少なくないが……野党の奮闘にも期待したい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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