「金融緩和」は経済を本格的に回復させることはできない

7月21日の参院選は予想通りの与党圧勝。有権者からアベノミクスに対する信任が得られたと考えてよさそう。だが、世界的に見れば量的緩和の効果は尻すぼみの状態に……

◆参院選は自民圧勝に終わったが……アベノミクスで日本経済は回復しない!【後編】(有名ブロガー「闇株新聞」氏)

⇒【前編】「自民圧勝が日本経済に与える影響とは?」はコチラ

 日本も同様です。金融緩和を続けるだけでは実体経済がなかなか回復せず、そのうち円安による輸入物価の上昇からインフレだけが進み、長期国債利回りが再び上昇してしまうなどの弊害が出るかもしれません。アベノミクスの「最初の矢」である積極的な金融緩和だけでは、効果が限界的になってきているのです。そこで「第二の矢」である財政政策の出動となるのですが、そもそも旧態依然とした公共投資に効果があるのかと、それ以前に来年4月の消費税引き上げの影響を、しっかりと考えなければなりません。「第三の矢」である民間による成長戦略も、6月の“第1弾”は非常にお粗末で、市場を失望させました。そもそも官僚組織が既得権を離さず、民間から選ばれた委員が「頭で考えただけの」アイデアを持ち寄っても効果が出るはずがありません。

 しかし、世界的に見れば金融緩和とは、経済を本格的に回復させることはなくても株式市場だけは上昇させる効果があり、また世界経済の危機を根本的に解決することはなくても危機を後ろに遅らせる効果だけはあります。そう考えると、日本でも諸問題を抱えながら、株式市場だけは当面好調のような気がします。

アベノミクス

日米欧ファンダメンタルズ比較

【今週の数字】
日米10年国債利回り
日本0.78% 米国2.48%
米国は金融緩和の縮小案を受けて金利が急騰。世界的な金利の高まりを受けて、日本でも一時、10年債利回りが1%に上昇する局面も。長期的にはさらなる上昇余地あり

【「闇株新聞」氏】
’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」と’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。今年4月には『闇株新聞 the book』を上梓

闇株新聞 the book

「異次元」の金融緩和で為替・株・日本国債はどうなるのか?




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