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「増税は愚策!」三橋貴明がズバリ解説!!

国会議事堂

野田新首相はやはり増税するのか?

「成長こそがすべての解」と断言するのは作家の三橋貴明氏だ。経済成長を実現しさえすれば、財政健全化、デフレ、円高、少子化など現在の日本で騒がれている問題のほとんどがきれいに解消するという。反対に復興を大義名分にした増税は「愚の骨頂」と切り捨てる。

――そもそも経済成長とはなんでしょう?

三橋 「GDPが拡大すること」です。その意味で景気対策とは「政府がGDPを拡大させる政策を講じること」になります。ところで、政府が社会保障費を払う場合の原資や、税収の原資もGDPです。国家の目的である「国民が安全に豊かに暮らせる」ことを実現するためには、GDPを生み出す基である国富(生産資産など)を蓄積し、実際にGDPを生み出し、国民一人ひとりの所得を高めていかなければなりません。GDPが成長すれば、国民の給与水準が高まるのはもちろん、医療保険や年金が危機に陥ることもなくなり、「政府の収入」ともいえる税収が増えます。何しろ、税収の源もGDPなのです。税収が増えれば、政府の負債残高も減少し、最終的には財政健全化も達成できるのです。

――財政の健全化は、「増税」ではなく、「増収」によって達成する必要がある、と?

三橋 政府が税率を引き上げたり、新しい税を編み出したところで、「国民が受け取るはずだった所得(GDP)が政府に移る」にすぎません。結果、国民が新たに支出に回せるお金が減り、GDPは減少してしまう。とくにGDPが拡大しにくいデフレ下での増税は最悪です。民主党政権が増税を行うと、翌年の税収は確実に減ります。実際に、1997年に橋本政権がデフレ下での消費税アップを強行した結果、見事に税収全体が減りました。消費税による税収は増えたのですが、所得税、法人税を併せるとトータルで4兆円の減収になったのです。これを愚策と言わずに何と言えばいいのでしょうか。

――では、実際にGDPを拡大させるには何が必要でしょうか?

三橋 現在の日本は本来の供給能力(潜在GDP)が現実の需要(GDP)に対して大きすぎて巨額のギャップが発生しています。日本のデフレの原因は「円の流通量の不足」に加えて、このデフレギャップという需給バランスにも問題があります。GDPとは「消費+投資+純輸出」のことですから、人口が減少し、消費が活性化しにくいのであれば、「投資」を増やせばいいのです。先にも上げたとおり国家の目的は「国民が安全に豊かに暮らせる」ことですから、例えば、政府が公共事業に投資すればいい。政府の投資をきっかけに、民間では企業が銀行から融資を受け投資を拡大し、家計がローンを組んで住宅を購入することになります。つまり、「お金が借りられ、使われること」が大事なのです。そのために、政府に求められるのは、「民間がお金を借りて使いたくなる政策を打ち出す」と同時に、日銀にマネタリーベースを拡大させる(量的緩和)」の2点だけなのです。

これらの財政政策と金融政策の「パッケージ」は「現在のデフレ時のみに通用する政策です」と三橋氏。デフレを脱却しインフレになれば、今度は「金融引き締めをはじめ、政府支出のカットや増税などインフレ対策を行えばいい」と言う。つまり、状況によって対策は異なるのだ。「大きな政府」も「小さな政府」も常に正しいことはない。三橋貴明氏の新刊『経済と国家がわかる 国民の教養』(発売中)では、ほかにも目からウロコの考え方が満載である。ぜひご一読いただきたい。

文/犬飼孝司(本誌) 写真/puffyjet from flickr

経済と国家がわかる 国民の教養

9月2日発売。「常識を疑わないバカが日本を壊す。」




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