仮想通貨の相続が「ややこしすぎるワケ」。パスワードが不明だと永久に引き出せない可能性も
『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』の作者であるハッシー橋本が、漫画で稼いだカネで“怪しい投資”に挑む実録マンガ。一般の人が手を出しにくい投資を攻略して“億り人”になることはできるのか——。
本当は難しい相続税の話。漫画では、わかりやすくするために仮想通貨に絞って描きましたが、深掘りすると非常にややこしそうです。
例えば、2重課税で税率が最大110%になってしまうという話でも、通常の土地や建物などは取得費加算の特例を受けることができるため、相続した土地、建物を売却しても所得税・住民税は55%まではかからず、税率が100%を超えることはありません。
そして仮想通貨の相続のみ、相続税・所得税・住民税で税率100%を超える可能性があるという感じです。やはり仮想通貨だけが税率重いんですね。
なんとか国に是正してほしいところですが、国会の答弁なんか聞いてると、まだまだ古い議員方が……。
ま、いいや。とにかく「早くなんとかして下さい」
仮想通貨を遺族に遺すために、絶対に必要なものは「ウォレットの秘密鍵」です。
日本の仮想通貨取引所だけでやっているならこの限りではありませんが、今はみんな普通にウォレットを使っていると思います。その場合、ウォレットにはパスワードと秘密鍵がなければ開くことができません。
日本の仮想通貨取引所なら事情を話せば何とかなるかもしれませんが、仮想通貨ウォレットというのは一般的には「事情を話す人もいない」ものです。問い合わせをするところ自体がなかったりします。つまりパスワードの管理は自己責任が基本です。
だからこそ、生きてる間にパスワードと秘密鍵と何のウォレットを使っているか、これを紙に書いて金庫にも保管しておくといいです。「死んだら開けてね」と添えて……。特に多額の仮想通貨がある場合は、必ず書き残しておきましょう。
漫画・文/ハッシー橋本
監修/村上ゆういち(魔界の税理士®)愛知県出身の漫画家。パチンコ・パチスロ漫画を中心に活躍し、‘15年より月刊ヤングマガジンで連載を始めた『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』が大ヒット。サウナとビールの愉悦を描いた『極上!サウナめし』はサウナ好き必見の一冊 Twitter @hashimotosan84
第百二十九話 相続
相続するときに必要なもの
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