雑学

「授業で教えるべき!」と絶賛された異色のファッション本とは?

 ファッション指南であるにもかかわらず、「○○○の白シャツが定番」や「○○○のトレンチコートはマスト」といったように個別のアイテムを一切推奨しない本がある。書かれているのは、おしゃれになるためのルールとその実践方法だけ。ファッション指南本としては極めて異色の本だと言っていいだろう。Amazonのレビューを覗いてみると、「『新世界!です』『絶対的なオリジナリティ』『中学生に授業で教えるべき』『[はじめに]と[おわりに]を最初に読みましたが、それだけで泣けました』『心が震えました』」と、およそファッションの本とは思えない感想が続々と寄せられている。アパレル企業の元パターンナーという経歴をもつ著者の小林直子さんに、「結局、何を買うべきなのか」聞いてみた。

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男女を問わない「おしゃれの教科書」となる一冊だ

――著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』では、オススメアイテムが一切紹介されていません。読者がいちばん知りたいことだと思うのですが、なぜでしょうか?

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Amazonのレビューからもその評価の高さがうかがえる

小林:私はその人がどういう人で、どうなりたいかを知らないので、何かをお勧めすることはできません。またオススメアイテムを着ることと、おしゃれに見えるかどうかは別の問題です。私はおしゃれになるためには、ファッションを知ること、勉強することが必要だと思っています。これまで「おしゃれを勉強する」という概念はありませんでした。おしゃれとは、センスのいい人に先天的に与えられた特権のようなものであり、または、お金があるかないかという経済上の問題として片づけられてきたわけです。

――しかし、「おしゃれ」はルールさえ知れば、後天的に体得できるものだと?

小林:おしゃれの基本やワードローブの構築法を知って、ちゃんと勉強すれば誰でもおしゃれになります。ただし、そんな教科書はどこにも売っていません。ファッション誌は、「あれを買え、これを買え」と言うばかりで、論理的には説明はしてくれません。例えば、ハイブランドのコレクションを丸ごと買って、それを着ればおしゃれでしょう。「あれを買え、これを買え」とオススメしても、問題は解決しないのです。誰かに勧められたものをあれこれ買っても決しておしゃれにはなれないということは、皆さんもお気づきではないでしょうか。自分で考えて選ぶ能力がなければ、流行が変わるたびにタンスの肥やしを増やすだけで結局は根本的な解決にはならないのです。

――著書ではおしゃれになるためのルールとして、まず最初に「①なりたい自分を決める」とあります。ファッション指南ではあまり見かけない提案かと思います。

小林:コレクションを発表するようなブランドでは必ず最初にそのシーズンのテーマを決めます。個人の場合、そのテーマに当たるものが「なりたい自分」になります。皆さん勘違いしているのですが、目標や目的がないとワードローブは作れません。たとえば、アップルパイを作りたいのに、おいしそうだから、安かったからといってキウイを買ってきても、アップルパイはできません。まず、どうしたいか、という明確な目標があってはじめておしゃれになるのです。それはスタイルであっていいし、映画のワンシーンや一枚の絵画のようにこの場面、この瞬間でもいいのですが、そこにファッションは向かっていくのです。まず食べたい料理があって、その調理法があり、材料の揃え方があります。調理法は、コーディネート方法やスタイリング、材料の揃え方は、服の買い方になります。これが理解できてはじめてワードローブがつくれるようになるのです。

――まずは目的があって、その目的を達成するための方法論を学び、服を買っていくということですね。

小林:多くの方のクローゼットを拝見してきましたが、皆さん、見事にバラバラです。色はもちろん、テイストもさまざま。おそらく、駅ビルにあるようなお店になんとなく入って、おしゃれだなとか、可愛いなカッコイイなと思ったものを買ってきたのでしょうけど、無目的に買った1万円から2万円の服ほどタンスの肥やしになるものはありません。数回着てはみたけれど、どうもしっくりこないまま着なくなって、また、一目ぼれやら、ストレス解消のために買った服をたくさん持ったまま途方にくれている。つまり、目的がないままに皆さん、服を買いすぎているのです。私が提唱しているルールには、「②メインカラーとサブカラーを決める」という二つめのルールがあります。これに従えば、次に何を買えばいいかがわかるようになります。

――これは料理でいうところの買い方、材料を揃えるということでしょうか?

小林:「なりたい自分」という目的が決まったら、その次は材料を揃えましょうとなります。そのレシピとなる部分です。そのときに重要なのが色になります。ファッション学校を出た学生や、洋服をつくる側にいる人たちが誰かをおしゃれかどうか判断するときは、まず色合わせをチェックします。シルエットはその次です。シルエットは絶対的なものではなく、流行によって変化していきます。現在はタイトシルエットからビッグシルエットへと流行は移り変わっていますが、色合わせの美しさにそれほど変遷はありません。たとえば、マリンルックのネイビー、白をベースに赤が少し入っているコーディネートがあったとして、シルエットは時代によって変わりますが、その3色は不変でしょう。そういった意味で、メインカラーとサブカラーという自分の指針を決めてしまえば、それは買うべき色が決まったことになります。そこが決まっていないのに、「あれを買え、これを買え」と言われて服を買っていると、てんでバラバラのワードローブになってしまい、しっくりこない服が山積みになってしまうのです。

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買うべき色を最初に決めてしまう、という盲点

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わたし史上最高のおしゃれになる!

靴とバッグは何色を買えばいいの?ボーダーと花柄はどっちがおしゃれ?なんでムダな服ばかり増えるの?…結局、何を買えばいいの??「おしゃれの疑問」はルールで解決できる。




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