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女子大生キャバ嬢の[就職戦線異状あり]

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その8 ―


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女子大生キャバ嬢の就職活動も本格化。泣きつく嬢も

 現在、就職シーズン真っ只中だ。六本木ヒルズによくいるんだが、そこのホールで行われる会社説明会には、着なれないスーツ姿の若者が大挙して押し寄せている。たぶんその就活生の中に、キャバクラ嬢もいるんだろうな、いや確実にいる。だってそういうコをたくさん知っているのだから。

 女子大生キャバクラ嬢とて大学を卒業するからには、身の振り方を決めなければならない。どういう方向に進むのか?

 簡単にいうと3つある。1つ目は就職活動をして、企業に勤める真っ当なルート。2つ目はそのままキャバクラで働く、キャバクラ就職組。これは現在の生活レベルを落とせないコが多い。キャバクラ嬢としては優秀だが、女子大生としては、就職挫折組となる。つまりカタギになり損ねた、と。そして最後、3つ目がキャバクラのお客さんの会社に勤める、ちゃっかり組だ。

 さて、今年の就職戦線はどうなのか? ネットエントリーが大解禁となり、しかも一括で数十社に申し込みができるので、さまざまな弊害が生じている。

 例えば、学校名でエントリーを制限している。有名大学の学生がエントリーすると、次のステップへ導かれるが、三流大学生が同じ会社にエントリーをすると、すでに締め切りました、あるいは満員で終了ですと通知される。

 厳しい状況だが、キャバクラ嬢は転んでもタダでは起きない性格のコが多いので、裏筋ルートを駆使して暗躍している。

 だいたい六本木のキャバクラの客は、マスコミ業界人、有名企業のお偉いさんが多く、特に音楽、芸能関係者は遊びながら気に入ったキャバ嬢をデビューさせていた歴史と伝統がある。オーナー企業の社長から見れば、使える女性をその場で面接し、しかも色恋営業もありで、何かと好都合なのだ。

 オヤジのきつい口説きをかわすキャバ嬢は、実社会でもビビることなく、即戦力となって重宝がられる。体を張って就職したなんて言われているが、雇う側もそんなにバカじゃない。だいたい使えなかったら、部下に示しがつかないではないか。そこが愛人と就職の違いだ。ちなみに「銀座は愛人、六本木は就職」と言われ、お客さんと、そういう関係になりたい女性が多いようだ。

 次にまともなルートの就職活動話をしよう。実は我が母校、明治学院の後輩が、就活で苦戦中だ。OBを紹介してとメールが来て、そりゃあ可愛い後輩だから、尽力しますよ。でもね、オレはあんたの源氏名しか知らないんだ。本名も知らないで紹介できないからと、一度外で会うことになった。

 現れた女性は憔悴しており、あまりに可哀相だから業界のパーティに誘って、そこで名刺を配れと言ったが、たまたまその日だけ、大事な説明会があって来れずじまい。こういうタイミングの悪さって致命的だよね。

 とにかく今の状況を説明し、うちの母校は「ネットで切られる側に属しているから、もがいてアクション起こさないとダメ」と諭す。すると「だから、こうやって紹介を頼んでいるんじゃないですか」と言ってくる。

 キミキミ、どうも紹介という概念を理解してないようだねと。人物紹介は、この人をよろしくと、右から左に流すことじゃない。紹介とは「この学生は頭脳明晰で行動力も抜群。ガッツがありますから、ぜひとも指定枠外の学校出身ですが、一度面接し、彼女の魅力を見てもらえませんか」ということなのよ。だからオレに根性とか行動力あるとこを見せてくれ、とね。

 勘違いしてほしくないが、このケースは全然下心なしの口説きもなし。純粋に後輩を応援しているだけですから。

 けど、頑張ってガッツを見せます、履歴書見て下さいといいつつ、その後一切メールがない。昔の学生は、ここでメールをくれたり、会ってお茶したりして、多少ともコミュニケーションを取ったんだが。こっちから連絡する義理もないので、現在放置プレーをしている。

 いまどきの学生は今そこにある危機は充分把握しているが、焦り過ぎて空回りしているようだ。

 15年間、キャバクラ側から学生の就職活動を見てきたが、今の世代は、スマホ世代の典型だ。スマホばかりイジっているから、対人恐怖症というか、コミュニケーション障害になっている感じで、人間同士の交流感が乏しい。オヤジ相手にトークするキャバ嬢ですらそうなのだから、素人さんは、もっと悲惨なものでしょう。

 そこでネット就職全盛といって、面接もせずにはじくのはいかがなものか。

 就職の面接は、一種の社会の通過儀礼みたいなもので、そこで学生は鍛えられて来たのではないか。数社面接して、初めて社会人とのコミニュケーションが取れるのだと思う。

 一方、企業側としても、いまどきの20代前半の最強マーケット、トレンドリーダー層を知るうえでも、学生に会って生の声を聞くのが大事だと思う。たとえ自分の会社に入社しなくても、その学生を社会に送り出す手助けをしたと思えばいい。

 就職学生は面接で強くなる。そして企業も面接で学生を鍛えて、マーケットリサーチもする。

木村和久

木村和久

 企業がネットで学生を切り捨てるのはあまりよろしくない。そういう会社は自分で自分の首を絞めると思うんですけど、いかがでしょうか。

■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦

トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』





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