話題のSMバーは公務員御用達?「リーズナブルでいいお店」
宮沢経済産業大臣の資金管理団体が広島のSMバーと呼ばれる店に政治資金を支出していた問題。大臣は「わたし自身は店に行っていない」と火消しに躍起だが、激しいバッシングに晒されている。
◆地元公務員は頻繁に利用
なかでも世間の注目を集めたのは、やはりSMという言葉だ。しかし、現役公務員の安達大輔氏(仮名・30代)によれば、世間が抱きがちな猥褻な印象とは裏腹に店自体は地元でも有名な“名店”だという。
「僕もよく接待で利用していましたが、値段もリーズナブルだし、いいお店ですよ。性的サービスがあるようないかがわしいとこじゃないですし、『二軒目はどこにしようか?』となったときにノリで行くことが多かったですね。ある意味、度胸試しみたいなもんですよ」
ショータイムはあるものの、出演する女性は着衣。ハードなプレイも一切なく、内装や装飾品がSM風な程度だという。また、今回は大臣の資金管理団体が公費を使用したことから大問題に発展したが、「以前から地元公務員はよく利用していた」と安達氏は語る。
「公務員は縦社会ですし、警察官などは体育会系の気質があるので、上司や客に誘われたら断れませんよ。先輩にロウソクを垂らされたり、得意先に蹴りを入れられたこともありますが、SMというよりは“かわいがり”でしたね(苦笑)。ノリが悪いと自分の評価にもつながりかねないですから」
SMという言葉から想像されるように文字通り人を縛るというよりは、人間関係を結んでいたようだ。また、直接雰囲気を訊ねるべく、渦中の店に電話で問い合わせをしてみたが、残念ながら呼び出し音が鳴るのみで応答はなかった。
同じ公務員として同店を利用していた安達氏だが、今回の騒動で店そのものを争点にするのは間違っているという。
「お店に非はないし、SMバーという響きで叩かれるようなところではないです。あくまで問題は公費を使ったこと。当然、有権者からしたら『お前の金で行けよ』って話になりますし、責任はとるべきです。お店にはいい思い出がたくさんあるので、これからもがんばってほしいですね」
SMバーという言葉だけが取り沙汰されてきたが、店ばかりが注目されては本末転倒だ。今後は大臣の対応を注視してほしい。 <取材・文/林バウツキ泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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