ニュース

大塚家具の古い会社体質は改善できるのか。ゴルフ大会で顧客に女子プロをつけて…【コラムニスト・木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その66 ―


 大塚家具は、お家騒動の影響で株価が上昇しているけど、これが仕組まれた茶番劇だったら笑うよね。例えば娘が和解して父に謝る。「お父さん、そろそろ謝りますわ。ごめんなさい」という。すると父親は、「そうだな株は高い時に売り抜けて、ひと財産築き、知名度も上がったし作戦成功だな」と、ニコニコもんで返答する。まるで水戸黄門によく登場する、悪代官の密会現場みたいですわ。

大塚家具

大塚家具HPより

 現実的には、そういうことは起こらず、株主総会で白黒つけるのが大方の予想だ。

 大塚家具って、良くも悪くもベタベタなワンマン会社なわけで、こんなエピソードがある。知り合いのさらに知り合いのVIPな方が、大塚家具レディースのプロアマに呼ばれた。さて誰とラウンドするのかなと思って、当日会場に行くや、「うまく組んどきましたから」と言われて、スタートホールに行ってみる。そしたら当時実力、人気もナンバーワンの女子プロが「よろしくお願いします」と、挨拶してくるでないか。

 プロアマに何度も出たことがあるけど、厳正な抽選をやる大会もあれば、抽選といいつつ、主要なプロは大事なお客様にあてがう場合も時々ある。別にここで大塚家具のプロアマの組み合わせ問題をどうのこうの述べるつもりはない。ただ古い体質の会社なんだなと、そう思っただけ。

 古いといえば、あの入店から帰るときまで、背後霊のように付いてくる営業マン、ほんとびっくりする。つまり買わないやつは来なくていい的商売をやっているのだ。買う気がある人には願ったり叶ったけど、見るだけの客は、邪魔でしょうがない。

 今は高級フランス料理すら、立って食べる時代だ。客ごとに付いて回る営業マンの人件費ってどんだけかかるんやら。そう考えると、人件費を極力排除し、効率的な営業をしている、「俺のフレンチ」的なIKEAは実にスマートだ。広いレイアウトに、モデルルームばりの家具の配置、見ていてうっとりする。それで型番だけ覚えておいて、保管庫から目当ての梱包家具を引っ張りだし、スーパーみたいに会計して終わり。デートとしても使えるのが、嬉しい。

 一方、日本の家具・雑貨販売の雄、ニトリも種類と値段じゃ負けていない。ニトリの周辺は、週末ニトリ渋滞が起きるほどの繁盛ぶりだ。こっちも女子プロの試合をやっていたけど、評価したいのは、京都の南禅寺界隈の別荘を購入したことですか。南禅寺界隈別荘群というのは、山形有朋あたりから、日本政財界の重鎮たちが、こぞって別荘を立てた歴史がある。野村や松下は今でも立派な別荘を所有している。その中で、一番格が上と称される、対龍山荘を2010年に購入したことが素晴らしい。

 成り上がりの買い物と言う人もいるけれど、ほとんど文化財扱いの建物で、何億円のお金をかけて維持できる企業が少なくありつつある。そこでホワイトナイトを買って出た、なかなかいい趣味の道楽ではないか。

 そんなわけで、大塚家具を取り巻く環境は厳しい。親子どっちが勝っても、輸入家具を扱っている限り、円安の影響で採算的に厳しい、そう言う人もいる。

 そもそもお家騒動になったのは何がいけなかったのか。普通は娘の新規事業は、分社化して別の会社で1店舗から、着実に顧客を増やして、販路を拡大してゆくべきでしょう。いろいろやったと思うけど、今や会社を譲った、返せの親子喧嘩になっているところが、妙におかしい。

 是非、黒澤明の「乱」でも見て、親子の愛情・非情・無常を感じて欲しいこのごろだ。

木村和久

木村和久

■木村和久(きむらかずひさ)■

トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦




おすすめ記事