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ボートには君といた永遠の青春がある! 愛という名のもとに集った合宿所で、がんばっていきまっしょい!――フモフモ編集長の東京五輪“観戦穴場競技”探訪

~今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第7回~

フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。

 僕はかねがね気になっていたことがあります。それは、五輪における船軍団の存在感についてです。みなさんは五輪でどれぐらい船関連競技が実施されているかご存じですか。競技で言うと「ボート」「カヌー」「セーリング」の3つ。さらにそれが細かな種目に分かれて、船関連3競技全体では40種目にも及びます。すなわち、金メダル40個です。陸上が全部で金メダル47個、水泳が46個(※競泳、飛び込み、シンクロナイズドスミング、水球すべてあわせて)であることを考えると、船関連の「多っ!!」という感覚がご理解いただけるかと思います。

 これだけの種目数があるなら、チケットも相当枚数が売り出されるはず。そして、国内でカヌーやらボートやらはほとんど注目されていないことを考えると、競争倍率はかなり低くなるのではないか。ボートを題材とした連続ドラマ『レガッタ~君といた永遠~』が低視聴率で話数短縮される日本なら、五輪でも競争倍率は低いはず。「何でもいいから生で見たいです!」という需要を一番受け止められるのは、船軍団なのではないか。今回は、船競技の現場の盛り上がりを見て、その辺の感触を確かめていきたいという狙いです。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=880545

 向かったのは埼玉県は戸田市にある戸田漕艇場。今回はコチラで開催されるボート界の国内2大レースのひとつ、全日本軽量級選手権を観戦します。リオ五輪でも軽量級3種目が実施される予定ですので、ここからリオに羽ばたく選手がいるかもしれない……そういう重要な大会です。

 ちなみに、この会場は1964年東京五輪でもボート競技が実施された「レガシー」です。前回の記事で馬術観戦のために訪れた馬事公苑も東京五輪のレガシーでしたが、またもレガシーです。別にレガシーを狙って訪れているわけではなく、そこそこの格がある大会を観ようとすると、レガシーにぶち当たるのです。1964年の遺産が、日本のスポーツをずっと支えてきているのです。何だか、スゴイですね。2020年大会のレガシーも、きっと2100年頃まで日本のスポーツを支えるんでしょうね。

 埼玉県なのにオリンピック通りなんて道があるのは、1964年大会の会場があるから。スーパーマーケットの「オリンピック」があるわけではない。

 道路にもボートの絵が描かれるなど、街全体でボート推し。ちなみに戸田競艇場もこの近くとのこと。

 戸田漕艇場には、1964年当時の聖火台も残されている。

 最寄駅から歩いて5分ほどの場所、荒川に沿うように作られた戸田漕艇場。まず驚かされるのはその広さ。てっきり川の一部かと思いきや、川だと水の流れがあって競技に向かないことから、川から水を引いてだだっ広くて細長い池を作っていたのです。その長さ、約2.5キロメートル。コースの幅は100メートルほどあり、ちょっとした川よりもデカイくらいです。

 ゴール地点側に到着。スタート地点はこの水面のずーっと向こう2キロ先。

 コース上にはすでにたくさんのボートが。

 会場について早速イイ情報と悪い情報、ふたつを確認することができました。まずイイ情報は、ボート競技自体が2000メートルの距離で行なわれることもあって、会場がめっちゃ広いこと。2キロの水面、その両岸に座席をズラーッと並べれば、10万人くらい余裕で入りそうです。座席が多ければ多いほどチケット争奪戦の競争倍率も低くなりますので、これはいい手応えです。

 で、悪い情報というのは、会場が広すぎて何が行なわれているのかサッパリわからないこと。ゴール地点からはスタート地点の様子はまったく見えず、場内にはモニター等の設備も見当たりません。一応、場内放送で「ただいま3コースのボートがトップでぇす」などのお知らせはされるのですが、船が見えないのではラジオの実況を聞いているのと大して変わりません。いっそ、船に大漁旗でも立っているとよいのですが。

 2キロの道のりを歩いて、やっとたどりついたスタート地点。そこは競艇場だった。

 競艇場から漕ぎ出していくボートたち。

 ははぁ、なるほど。漕艇場と競艇場は一心同体だったわけですか。競艇場のスタート台などを利用してボートが漕ぎ出し、2キロ先のゴールを目指す、そういう造りになっていたんですね。大会後に競艇場に寄って行こうと思っていた僕もこれには拍子抜け。「今日は競艇やらないのか」「ボートのある日は競艇ができず、競艇のある日はボートができない」「ボート間の潰し合いだな……」と微妙な気持ちになってしまいました。2020年大会の施設を準備する際には、競艇場と漕艇場はキッチリ分けたほうがいいように思います。

⇒【次回】「歩き回って見つけた観戦のベストポジションとは?」http://nikkan-spa.jp/880598

自由すぎるオリンピック観戦術

スポーツイベントがあるごとに、世間をアッと言わせるコラムを書き続ける、スポーツ観戦ブログ『フモフモコラム』の中のひとによるオリンピック観戦本




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