歩き回って見つけた観戦のベストポジションとは?
~フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第8回~
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さて、2キロを歩いてスタート地点まで来て実感したのは、身も蓋もない話ですが「スタート地点はそんなに面白くないな」ということ。何というか、レースってやはり決着の部分が見所じゃないですか。でも、スタート地点からだと、それは2キロ先の出来事なので、まったく見えやしないのです。
じゃあゴール地点に居ればいいかというと、それもまた違う。ボートというのは、2キロをまっすぐ漕ぐ競技で、コーナーとか接触とかアクシデントを生む要素は基本的にありません。つまり、一旦差がついたら、それで大体決着がついてしまうのです。2キロを歩きながら見たいくつかのレースでも、途中で1位のチームは大体最後まで1位でした。決着がついたあと、ゴールするだけのところを見ても応援のしようもありません。
コースを歩いて理解したベストな観戦ポジションは、ゴールが肉眼で確認できる範囲で、なるべくゴールから遠いところ。距離で言うと、スタートから1800メートル、ゴールまで残り200メートルくらいのところでしょう。ここなら最後の競り合いに声援を送りつつ、決着の瞬間を肉眼で確認できます。指定席を買うなら、その辺りを意識しておくといいかもしれません。
うーん、ということは、ベストな観戦ポジションまで1.8キロ戻らなアカンのか。この池の端までまた戻るのか……。
スポーツを観に来たはずが、自分がウォーキングさせられることになるとは。照りつける日差しと水面から立ちのぼる湿気で、選手以上にコッチが疲れてきます。こりゃ付き添う関係者も大変だろうな……と思ったのですが、さすが関係者は慣れています。彼らは2キロを真面目にウォーキングしたりすることはなく……
えっ、自転車!?
コーチとかチームスタッフは、軽快に自転車で移動する文化。
ボート競技観戦の必需品は「自転車」だった。ボートを観るのに乗り物が必要とは釈然としませんが、自転車が重要なポイントだったのです。2キロくらいの距離を行ったりきたりするのにベストな方法は自転車ですからね。ボートと並走し、ゴールに先回りする自転車を見ていると、その想いは一層強まります。ボートというのは結構速いのかと思っていたのですが、実際に観るとそんなに速くない。自転車があれば、余裕で並走できる程度のスピードです。
しかも種目ごとの差もそんなにない。ボートには漕ぎ手の人数によって「シングルスカル(1人)」「ダブルスカル(2人)」「クオドブルスカル(4人)」「フォア(4人)」「エイト(8人)」などの種目があるのですが、その世界最高記録を見ても8人で漕ぐボートが5分台の前半で、1人で漕ぐボートが6分台中盤くらい。漕いでる人数は8倍なのに、タイムは1分ちょっとしか速くならないのです。2キロを5分って、時速24キロメートルくらいですから、世界一速いボート相手でも頑張れば自転車で追いかけられる程度の速さです。
場内には自転車や車両での伴走の際、歩行者に注意するようにという注意書きが。やはり自転車利用が一般的なのか。
ちなみに、注意書きに添えられていた図には「自転車や車両が通るから歩行者はさっさと草地に避けろ。轢くぞ」感が漂う。
⇒【次回】「ベストポジションから感じる青春の輝きと釣り人への殺気」https://nikkan-spa.jp/880670





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