穴場競技として馬術をプッシュするワケ
~フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第6回~
⇒前回の話
さて、そんな感じで障害馬術を見守った一行は、続いてクロスカントリーの会場に移動します。こちらは公苑内の広い外周コースを一周し、その間に設けられた多数の障害物を跳んでいくもの。ところが、外周コースの大半は観客席がなく、馬が通って危ないのでコースに入らないでくださいとのお達しです。なるほど、こりゃ全面的な改修が必要ですね。各コーナーにモニターがないのはともかくとして、メインストレートしか見られないのでは何が行なわれているのか、まったくわかりませんから。
メインストレートしか見られない関係で、観戦自体は「馬が走っていった」「馬が戻ってきた」を見るだけという、意味不明な状態に陥ってしまいました。しかし、競技が終わってから改めてコースを散策していくと、このクロスカントリーというのは大変面白そうな種目です。
まず距離が長いので、馬が颯爽と駆けるところを存分に見られる(はず)。ピョコンピョコンとスキップしたり、棒を跳び越えたりするだけでなく、馬らしい疾走を求める競馬ファンにもオススメできそう。そして、障害物が棒よりもグッとグレードアップし、バリエーションが豊かです。「馬術しかチケットが余っていない、でも馬術ならどれでも選べる」という状況だった場合、総合馬術のクロスカントリーを選ぶと一番楽しみやすいように思います。
◆馬術の楽しみ方を体得
こうして僕は馬術観戦を堪能し、東京五輪での現地観戦に手応えを覚えます。馬術競技会よりも地域の祭りとかピクニックのほうが盛り上がっている国民性なら、チケットもほかの競技よりはとりやすいはずだと。同じように馬術狙いのみなさんにだけコッソリご案内すると、勉強せずに行くなら総合馬術のクロスカントリーがよさげで、「やっぱり棒がイイ」派のみなさんには障害馬術も悪くなさそう。
馬場馬術を除けば、「障害物に引っ掛かったヤツが負け」というわかりやすいものなので、深く考えずに馬と人間の飛越の美しさを見守っていくとよいと思います。勝ち負けではなく、もっとノーブルに、バレエでも見るような心構えで。もちろん服装も正装で行きたいところ。
「いやぁ、五輪では馬術を見てきましてね」
大会後にこんなことを言えたら、何だかそれだけで上流階級っぽい雰囲気も漂うというもの。競馬場にいるギャンブルおじさんと正反対の世界観で見守れたら、本音は「チケットが馬術しかなかった」ということであっても、素晴らしい五輪観戦の自慢話となるのではないでしょうか。僕も馬術を見たという満足感で、何だか髭でも生やしたいような気分になりましたから……。
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『自由すぎるオリンピック観戦術』 スポーツイベントがあるごとに、世間をアッと言わせるコラムを書き続ける、スポーツ観戦ブログ『フモフモコラム』の中のひとによるオリンピック観戦本 ![]() |
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