更新日:2017年11月27日 19:54
カーライフ

フェラーリは勝負パンツ! 庶民派フェラーリ・オーナーの“足グルマ”はミゼットⅡやハチロクだった

フェラーリとはイタ~リアの超絶ウルトラスーパーカー。新車はそれこそ普通のモデルでも3000円万円ぐらいしますが、中古車だと700万円ぐらいから買えるフェラーリも。それでも十分お高いわけですが、そんな高いカネを払ってまで買ったフェラーリに、彼らはあまり乗らないとか。なぜ?オーナーの普段使いのクルマ“足グルマ”を調べてみました MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu ◆フェラーリオーナーは普段の足で軽自動車に乗っている!?  フェラーリオーナーは、普段もフェラーリに乗っていると思っている人が多いが、実に浅はかである。そんな不便なもんに普段から乗るわけがないだろう! かくいう私も22年前からフェラーリオーナーだが、現在の足グルマは激安中古BMWとトヨタ・アクア、そしてホンダS660の3台を取り揃えている。フェラーリはごくたまに乗る勝負パンツなのだ。

大乗フェラーリミーティングとは、清水草一を開祖とする大乗フェラーリ教(宗教)の集会。今年はフェラーリ150台+フェラーリの足グルマ50台ほかが集結した。教義は「フェラーリを買えばシアワセになれる」

 不肖ワタクシが年に一度主催している「大乗フェラーリミーティング」には、毎年多数のフェラーリが参加してくださるが、今年のテーマは「フェラーリの足グルマ祭り」。フェラーリオーナー様にあえて足グルマで来てもらって、そのラインナップを楽しんでみた。  フェラーリオーナーが普段乗っているクルマというと、ベンツやロールスロイスを想像するかもしれないが、さにあらず。もちろんそういう方もいらっしゃるが、ラインナップは実にピンキリだ。  なぜならフェラーリオーナー自身が、ホンモノの富裕層から年収300万円台のサラリーマンまで、超ピンキリなのだから! よって足グルマもロールスロイスから軽まで非常に幅広いものになる。  実は「普段は軽」というフェラーリオーナーはけっこう多い。かくいう私もS660という軽を持ってるが、ワゴンRやプレオ、ツインなど、多彩な軽自動車がフェラーリオーナーの足として活躍している。

イベントでは、藤永さんのミゼットⅡと清水草一のS660で軽自動車ガチンコ加速対決を実施。S660が圧勝した(アタリマエ)。来年はランボルギーニ祭りの予定。オーナー以外の方の参加もお待ちしております!

 フェラーリは地上唯一の自動車芸術にして究極の自動車趣味であるため、いろんなクルマを乗り継いできたマニアも、フェラーリを買ってからは「この世にクルマはフェラーリと軽だけあればいいです」と、悟りの境地に達してしまう。女王蜂と働き蜂の関係である。  普段は超平凡なクルマに乗っていた方が、たまーにフェラーリに乗った時、そのあまりの高貴さに痙攣するほど感動できるという利点もある。うまいもんばっかり食ってると、うまいかどうかわかんなくなってくるじゃないか!  今回の「足グルマ祭り」でもっとも光ったのは、文句なくダイハツのミゼットⅡだった。本来は商店の配達用に開発された超小型・1人乗りの軽トラ? だが、オーナーの藤永さんは「もっともフォーミュラカーに近いのでこれを選びました」とおっしゃる。確かにエンジンはミッドシップ、それも1人乗り! 2人乗りのフェラーリもかないません! マニアックすぎて涙が出ます! しかも藤永さんはミゼットⅡを2台所有し、夫婦で出かける時は2台に分乗するというから絶句です。参りました。降参です。  もちろん世の中には、「お金が余ってるからフェラーリでも買ってみようかな~」という方もいらっしゃるだろうが、こういうイベントに来てくれるのは、フェラーリを買うことを人生の目標にしていた方がほとんど。金持ちであれ貧乏であれ、それ以前にまずクルマ好きなのでありました。涙。 <フェラーリオーナーの足グルマ大集合> ●モンディアル3.2オーナー/藤永哲也さん(48歳)サラリーマン ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=985725

出かけるときは夫婦別々のミゼットⅡに乗車!

 4人乗りのシブいフェラーリ・モンディアル3.2に乗る藤永さんは、年収も普通のサラリーマンで足グルマはダイハツ・ミゼットⅡ(2台持ち)。荷台に固定されたホームセンターで買ったツールボックスは、本人曰く「全天候型荷室」とのこと。中には上着などを入れている(笑)。 フェラーリオーナーは普段の足で軽自動車に乗っている!? フェラーリは週末用。ちなみに隣の赤いのはF50オーナーの足グルマ(?)で、フェラーリのレーシングカー・330P4のレプリカ「ノーブルP4」。レプリカでも3000万円くらいする ●360モデナオーナー/傍島雄治さん(47歳)会社経営 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=985729

レクサスRC F以外も多彩なラインナップ!

 傍島さんはステキな会社経営者。フェラーリは328から360スパイダー、そして現在の360モデナへと乗り換えてきた。所有する足グルマも多彩で、レクサスRC Fのほかにもヴェルファイア・エクゼクティブラウンジとボルボV40ディーゼル(奥様用)を所有する。「RC Fはすごくいいです。フェラーリと違って毎日乗れるし(笑)、長距離もラクです。パーツもいろいろ出ていてカスタマイズできるのもクルマ好きとしてうれしいですね」。さっそくホイールを交換済みだ ●テスタロッサオーナー/マーリンさん(43歳)&ヤマさん(47歳)謎の富裕層 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=985732

テスタロッサ友達は足グルマもベントレー同士

 マーリンさん、ヤマさんの2人はフェラーリ・テスタロッサ友達。偶然、足グルマもベントレーで一緒になった。マーリンさんは自営業でベントレーは亡父から受け継いだお気に入り。「フェラーリは週1程度。ベントレーは月2~3回。普段仕事ではハイエースに乗っています」。顔出しNGのヤマさんは「このベントレーはコーンズの試乗会に呼ばれて、乗ったら気に入ったから買っちゃった」とか。実は走り屋で、S15シルビアと180SXでサーキットも激走する ●F355オーナー/三浦博樹さん(52歳)公務員 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=985735  フェラーリF355、スカイラインR32GT-R、そしてこのハチロクと3台のスポーツカーを所有する三浦さんは、なんと2人の大学生のお子さんを持つ超真っ当な公務員! 当然年収も普通! このラインナップをよく家族が許してくれたものだが、奥様は「僕が昔からこうだったので、こういうものだと思って諦めてくれています。家族に感謝です」。ハチロクは15年前に38万円で購入し、現在も週に5日通勤で乗っている。フェラーリに乗るのは月1。GT-Rは週1。
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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