フーゾクと風俗営業の違いとは――今さら聞けない夜遊び雑学【コラムニスト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その115 ―
フーゾクと風俗営業を一緒と思っている人が多いが、実は微妙に違っていて、取扱う範囲が、風俗営業のほうが多いのだ。
風俗営業とは、一般的には風営法で定義されている営業のことを指し、キャバレー、料亭、ディスコ、クラブ、パチンコ店、ゲームセンター、雀荘などの業態をひっくるめて、風俗営業と言っている。
一方、我々が飲んだ勢いで行ってしまうフーゾクは「性風俗」のことを指し、法律的には、性風俗関連特殊営業でくくられる。ジャンルはソープランド、ファッションヘルス、ラブホテル、デリバリーヘルス、テレクラ、アダルト画像配信などがある。
面白いのは、セクシーパブや、ピンクサロンは、性風俗ではなく普通の風俗営業となること。別にいいじゃん、そんなことと言うが、このジャンル分けが、一生の不覚となることもある。例えば、火事や事件が起きて何か名前が出たり、あるいは職種を紹介されたりするときに、フーゾクのお姉さんは「風俗嬢Aさん」とか、「風俗店従業員Aさん」という扱いになる。ところが、セクシーパブでお客さんに、おっぱいを揉ませる仕事の人が、ニュースに出るときは「飲食店従業員Bさん」という扱いになる。飲食店だから、レストランとかパブとか、そのへんの仕事だと思われて、何かと好都合である。
だからワリのいいバイトをするなら、ピンサロまでにしておけよ、ということになるのだ。
一方、風俗店を経営したり、働いてる側も、何かと都合が悪いようで、いろんな方法で、肩書きを変えて来る。以前、通っていたキャバクラに、ソープランドのオーナーが良く遊びに来ていた。「あのおっさんソープの社長だから、面接に行ってみるか?」なんて、キャバ嬢に冗談を言うや、「え~会計事務所の社長って言ってたよ」と、来たもんだ。関係者に話を聞いてみたら、そのおじさんは、ソープランドを経営しているが、それだけだと体裁が悪いので、副業で会計事務所を経営してて、よそいきの時は、会計事務所社長となるわけだ。
じゃあキャバクラの社長は、飲食店経営になるからいいじゃんと思うが、実際の営業内容を問われると窮地に立つので、副業で居酒屋やお好み焼き屋を経営している人が多い。そうしないと、子供の授業参観とかにも、行きづらいからで、何かと苦労してるんですな。一方、キャバクラなどは激務ゆえ、大分疲れて来た従業員などには、多少は楽な居酒屋を任せて、末永く働いてもらうという親心もあって、副業をやっているようだ。
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