バドミントン五輪候補選手が訪れた違法カジノはいったい何が「違法」なのか【コラムニスト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
— 木村和久の「オヤ充のススメ」その114—
違法カジノに行ったバトミントン選手のニュースが話題だが、そもそも違法カジノって、何が違法なのか? そこらへんを検証してみたい。
そもそも日本のカジノは、法律で「賭博」扱いになっている。賭博そのものが禁止されているので、特例としてカジノを認めろというのが、カジノ法案というやつだ。
カジノは賭博だから「金品の授与」ができない。「金」はお金だから分かるが、「品」は景品だ。つまりチップを貯めて、なにがしかの景品に変えることも禁じられている。カジノ内でのチップをママゴト遊び的にやりとりするのは出来るが、チップを貯めて、タバコやチョコレートにすら、変えれないのだ。
でも、スロットとか、パチンコ屋にもあるじゃん。なんでパチンコは換金できるのか。パチンコは「賭博」ではなく「遊戯」だからだ。規制を受けるのは主に風営法、カジノはいろいろあるが、基本は賭博法だ。
パチンコは遊戯なので、景品はもらえる。その景品を、外部の店でお金に変える、ことをアリにしている。換金所は建前上、パチンコ屋とは、無関係な第三者が営業している「質屋」や「古物商」であり、正当な商取り引きのもとに換金している、ことになっている。だからカジノバーも、パチンコの類だと思っている人が多い。チップをどこかで換金できたら、それは違法店ですからね。
日本でカジノを一躍有名にしたのは、イアン・フレミング原作の「007カジノ・ロワイヤル」(小説は1953年、最新映画は2006年)だ。豪華なカジノを舞台に、ジェームス・ボンドが大活躍する映画で、これが黒船襲来となった。何しろ、背中が丸見えのノーブラ・ボンドガールがそばにいて、ドライマティーニを飲みながら、応援してくれんだから、たまりませんがな。「それでは、竹下景子さんに100万ドル」って、クイズダービーかよ。
とにかくカジノはカッコいい。しかも日本じゃできない。だから小金持ちのオヤジは、韓国やマカオ、ラスベガスに行ったときに楽しんで、その余韻に浸りながら、日本の闇カジノで遊興する。カジノ法案がどうしたとか言ってるから、近いうち解禁だろう。そんなに罪悪感はないとなるわけだ。
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