ビンスとフレアーのビジネスライクな友情――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第131回
ビジネスライクな友情というものがあるとしたら、ビンス・マクマホンとリック・フレアーの関係がまさにそれだった。WCWを退団したフレアーがWWEと専属契約を交わしたのは1991年7月。このとき、フレアーとビンスは契約書には明記されていないいくつかの“約束”をした。
“リック・フレアー”のキャラクターをリスペクトし、リングネーム、リングコスチューム、ニックネームに修正を加えないこと。メインイベンター以外のポジションでは試合を組まないこと。そして、WCWを含む他団体からWWEでの年俸を上回る契約オファーがあった場合は、両者が誠意をもって協議し、現行の契約を解除・破棄できること。ビンスはこの3点をフレアーに約束し、その約束はきっちりと守られた。
“ミスターWCW”フレアーと“ミスターWWE”ハルク・ホーガンのシングルマッチは1991年10月から約3カ月間、全米各地のハウスショーでおこなわれたが、この“世紀の一戦”には完全決着のシナリオは用意されていなかった。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ