更新日:2017年11月30日 14:51
スポーツ

“レッスルマニア12”61分52秒の政権交代劇――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第224回(1996年編)

WWEオフィシャル・マガジン表紙

“レッスルマニア12”のメインイベントでブレット・ハートとの60分アイアンマン・マッチを制しWWE世界ヘビー級王座を獲得。名実ともにWWEの頂点にかけ上がったショーン・マイケルズ(写真はWWEオフィシャル・マガジン表紙より)

 それはベストマッチだったかもしれないし、ベストマッチといえるような試合はなかなか生まれにくいシチュエーションだったのかもしれない。“レッスルマニア12”の大舞台はふたりのスパースターに対して完全決着の闘いを突きつけ、ひとりがチャンピオンベルトを失い、もうひとりがそのチャンピオンベルトを腰に巻いた。  3.31“レッスルマニア12”(カリフォルニア州アナハイム、アローヘッド・ポンド)のメインイベントにラインナップされた“ヒットマン”ブレット・ハート(王者)対“ハートブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ(挑戦者)のWWE世界ヘビー級選手権“アイアンマン・マッチ”は、61分51秒、ショーンがスウィート・チン・ミュージック2連発からブレットをフォール。WWE世界王座を獲得した。  制限時間60分のなかでより多くのフォール(ピンフォール、サブミッション、KO、場外カウントアウト、反則裁定も有効)を奪った選手の勝ちとなる“アイアンマン・マッチ”は、両者ともノー・フォールのまま60分タイムアップとなった。  こういった長丁場のタイトルマッチは、年にいちどのプロレスの祭典“レッスルマニア”に集まってくるカジュアル層のファンにとっては消化しにくい、あるいは集中力のつづかない試合なのだろう。試合開始のゴングから約20分間、アリーナ全体を覆うムードはひじょうに散漫になっていた。
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あまり使わないジャパニーズ・スタイルの関節技を用意し挑む
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