更新日:2022年08月21日 12:22
スポーツ

“レッスルマニア14”にアメリカが揺れた日――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第283回(1998年編)

“レッスルマニア14”オフィシャル・イベント・ポスター

“レッスルマニア”は地上最大のショー。マイク・タイソンのゲスト出場に世界じゅうのマスメディアが注目した。ストーンコールドはすっかり“時の人”となってしまった(写真は“レッスルマニア14”オフィシャル・イベント・ポスターより)

 アメリカ人は“ザ・グレーテスト・ショー・オン・アース”という表現を好んで用いる。ずいぶん大げさないいまわしではあるけれど、“地上最大のショー”なんて訳せば“グレーテスト”と“アース”のニュアンスがちゃんと理解できる。  “レッスルマニア”はやっぱり“地上最大のショー”である。そこに観客がひとりでもいれば“スポーツ”と“ショー”は同義語になる。英語のショーshowにはネガティブなニュアンスはまったくない。  年にいちどのザ・グレーテスト・ショー“レッスルマニア”は1985年の第1回大会から数えて14回めを迎えた(1998年3月29日=マサチューセッツ州ボストン、フリート・センター=観衆1万9028人、興行収益=102万9230ドル)。  WWEは予備知識をあまり必要としないプロレスを観客にぶつけてくる。カクテル光線とレーザービーム、音響効果とパイロ花火の“ドッカーン”がアリーナを埋め尽くしたオーディエンスの五感を容赦なく襲う。巨大なビデオ・スクリーンに“おもな登場人物”のプロモーション・クリップが映し出される。
次のページ right-delta
WWEは新しい層の観客の開拓を急いだ
1
2
3
おすすめ記事