“レッスルマニア14”にアメリカが揺れた日――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第283回(1998年編)
アメリカ人は“ザ・グレーテスト・ショー・オン・アース”という表現を好んで用いる。ずいぶん大げさないいまわしではあるけれど、“地上最大のショー”なんて訳せば“グレーテスト”と“アース”のニュアンスがちゃんと理解できる。
“レッスルマニア”はやっぱり“地上最大のショー”である。そこに観客がひとりでもいれば“スポーツ”と“ショー”は同義語になる。英語のショーshowにはネガティブなニュアンスはまったくない。
年にいちどのザ・グレーテスト・ショー“レッスルマニア”は1985年の第1回大会から数えて14回めを迎えた(1998年3月29日=マサチューセッツ州ボストン、フリート・センター=観衆1万9028人、興行収益=102万9230ドル)。
WWEは予備知識をあまり必要としないプロレスを観客にぶつけてくる。カクテル光線とレーザービーム、音響効果とパイロ花火の“ドッカーン”がアリーナを埋め尽くしたオーディエンスの五感を容赦なく襲う。巨大なビデオ・スクリーンに“おもな登場人物”のプロモーション・クリップが映し出される。
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