“レッスルマニア14”にアメリカが揺れた日――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第283回(1998年編)
試合終了直後、特別レフェリーのタイソンがショーンと口論を演じ、得意の右フックで前王者をKOした“番外戦”がフィナーレ“その2”だった。リングサイド最前列に用意されたプレス席からカメラをかまえていた一般マスコミのカメラマンたちはこの数秒間のシーンだけを待っていた。
プロレスの空気をたっぷり吸ってすっかり上機嫌になったタイソンは、この日のヒーローでるストーンコールドに“3:16”のTシャツをおねだりした。ライブの観客はただのいちどもタイソンにブーイングを浴びせなかった。タイソンはWWEのリングで、おそらく生まれて初めてベビーフェースに変身したのだった。
“ガシャーン”というガラスが割れる音からはじまるストーンコールドのオリジナルのテーマ曲がアリーナに響き渡り、グレーテスト・ショー・オン・アースはジ・エンド。
“レッスルマニア14”の3人の主役のうちのひとり、ショーンは最後の最後まで無言のままリングのまんなかで大の字にノビていた。 (つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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