ネット上に無修正動画が氾濫…崩れゆくアダルト業界関係者たちの悲痛な声
先日、海外にサーバーを置く日本向けアダルトサイトから発信される、モザイクのない「無修正動画」を制作したとして、東京都内の業者が摘発された。経営者の台湾人女性らは、日本人女性が出演するわいせつ物、いわゆる無修正映像を日本国内で制作し、台湾や米国の業者を経由して配信していたという。
さて、少なくない男性ネットユーザーにとって、かつては「裏モノ」とされたモザイク無しのアダルト作品が、ネット上において普遍的に存在していることは、もはや周知の事実ではないだろうか? 大手レンタルビデオ店でも借りることができるモザイク有りの「表作品」やネット配信作品を含めると、1日に十数品の新作がリリースされているとも言われる日本アダルト業界は、すでに需要と供給のバランスが崩れ、とんでもない事態になっているのだという。
「かつてのAV(アダルトビデオ)といえば、一本一万円以上するのが当たり前でした。DVDになってからは三千円前後、安いモノでは千円前後のモノもあります。それがネットであれば、1作品が数百円で買えてしまう。我々のビジネスモデルは崩壊してしまったのです」
こうため息をつくのは大手AV制作会社関係者。十数年前には、AV一本のリリースで数百万円から一千万近い収益があり、AV女優にも数百万円のギャラが支払われることもあったというが、あまりにも多い新作数と、ネットを主にした配信するプラットフォームの多様化によって、一作品に対する制作費は右肩下がりを続けている。単体作品の経験は一度もないという、元キカタン(企画単体)女優のMも憤る。
「企画モノの場合、一作品に出て貰えるギャラは多くて10万円。一日拘束されて絡み(本番行為)5回、ギャラ数万ってこともありました。その5回は3作品に分けられて、他のオムニバス作品にも転載される。嫌気がさして、今は風俗で働いています。辞める前に、裏モノに出演させられそうになりましたが、逃げました」
苦境に立たされているのは女優だけではない。低予算や納期短縮を突きつけられたAV制作会社も同様に、今日のアダルト戦国時代をどうにか乗り切ろうと、あの手この手で生き残りを図っているというが……。その実態はまさに「量の増加は質の低下」を地で行くモノと語るのは、関西地方でAV制作に携わる風俗関係者の男性だ。
アダルト業界のビジネスモデルが崩壊
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