生涯で20回以上ポリスに肩を叩かれた男・山田ゴメスの最新「職質日記」
―[山田ゴメス]―
今年で開催12回目を迎える『オタク川柳大賞』の大賞受賞作は
「君の名は」 聞いてくれたの ポリスだけ
なのだという。「オタク特有の挙動不審が職質に合いやすい」という悲哀を、たった17文字で、去年大ブレイクした人気アニメ映画名をも取り込みながら表現した傑作である。
が、ワタクシ山田ゴメスも、こと「職質」に関しては、オタクの皆さまに負けず劣らずの猛者だと自負させていただこう。生涯通算で「職質に合った回数」は、じつに20回以上! 「おそらく90%前後の日本人男女が一度も職質されないまま死んでいく」現実から考えるに、尋常ではない(被?)打率なのではなかろうか。
そして! 例年に漏れず、2017年3月11日の昼下がり、新宿駅構内を歩いていると……また本年度初の職質を受けた。今日はその模様のリアルを日刊SPA!読者の皆さまにお届けしよう!!
ちょうどアラブの某国から千人単位のVIPが来日するころであった。ゆえに、もしかすると都内では、より“不審者”に対する取り締まりが強化されていたのかもしれない。その日、僕が着ていたアウターは、ポケットが計24個装着されているのが自慢の、多くの女子から「SATみたい」と評されてきた古着風フライトジャケット。
たしかに「職質してください」と言わんばかりの怪しさ満点なファッションであることは認めるが、ここは日本最大の繁華街・新宿──この程度の怪しさを発散させる人物は山ほどいる……のに、そんな有象無象のなかから、なぜあえてゴメスをピックアップ?
一度、警察関係に詳しい某週刊誌の編集者に「職質に合いやすいタイプ」についてたずねてみたところ、どうやら以下のようなチェックポイントがあるのだそう。
(1)「季節に合わない」「年齢に不相応」「フォーマル系の服なのに靴だけがカジュアル」など、服装のバランスが悪い
(2)リュックを背負っている
(3)顔付きが中東系
(4)オタクっぽい
(5)うつむき加減&猫背で歩いている
なるほど、指摘されてみれば(1)~(3)なんかは“典型的な僕”だったりする。さらに、声をかけられるのは決まって仕事で大きなトラブルに見舞われたり、パチンコで絶望的な爆負けしてしまったりして、(5)のうつむき加減の猫背で呆然と街を彷徨っているとき、すなわち、自暴自棄になっていて、明らかにマインドが「失踪」だとか「コンビニ強盗」だとか、警察のごやっかいになる方向へと近寄っているときなので、“する側”の直感もあながち外れてはいないわけだ。
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大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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