更新日:2017年11月07日 21:46
ライフ

55歳のおじさんが「初めての脱毛」にチャレンジした理由

―[山田ゴメス]―
 最近、男性専用美容クリニック関係の仕事をする機会がめっぽう多い。アピールポイントはもちろん、この手のクリニックの売り上げをほぼ占める「脱毛」で、現場では「もはや男の脱毛は当たり前の時代」「デキる男は脱毛にも積極的(=ホリエモンはつるつる)」「脱毛は就活にも有利」「脱毛していない男はモテないぞ」……なんてキャッチコピーが始終飛び交い、50代半ばに差しかかるまでヒゲやムダ毛にはとんと無頓着だった僕、ゴメス記者もじわじわと洗脳され始めてきたフシもある。  そっか、ぼーぼーはモテないのか……。  無料で脱毛施術を受けられる「体験取材」というタナボタ的なお話もいただいている。けれど、僕はそれらのオイシイお誘いをこれまで頑なに拒んできた。理由は、「痛いのは絶対に嫌だから!」、それに「何度も通院するのが面倒臭いから…」にほかならない。あと、「ムダ毛は男の生命力」という医学的根拠のまったくない自説に囚われ、“処理”してしまえば最後、精力や免疫力を一気に失ってしまうのではないか……といった不安もちょっとだけある。  だがしかし! そんな初老のゴメス記者に「今さらの脱毛」を決意させた、とある“きっかけ”が!? はたして……?

20代女子がゴメスの「腕毛処理」を志願!

 フリーランスという立場柄、ヒゲに対する制限を受けない、あと胸毛も(案外?)13本しかない僕にとって、一番悩みのタネとなっているムダ毛はズバリ!「腕毛」だったりする。  前腕部分だけの毛が濃い……というよりは、とにかく長いんである(なぜか上腕には一本も生えていない)。友人であり仕事仲間でもあるFクンは「ゴメちゃんと一緒に新幹線に乗って、となり席になったら、いつもふぁさっとした感触があって、ゾゾッとするんですよ~」というエピソードを、合コンとかでの鉄板ネタとしている。
山田ゴメス

腕毛が濃いのではなく長い!

 分母がどれくらいの規模なのかは定かじゃないが、某男性専用美容クリニックの統計によると「女子大生のじつに8割以上がヒゲとムダ毛はNG」なんだそう。  ここ数か月、懇意にしている20代半ばの女子・Nちゃんに、僕の腕毛について忌憚ない意見を聞かせてもらった。すると「そりゃあ、あるよりはないにこしたことはないよね…」と、控えめなダメ出しをいただいた。続けて「やっぱ、脱毛とかしたほうがいいのかな…?」と(わりと真剣に)漏らしたところ、「じゃあ、私がやってあげるよ!」ってことで話が見る見るうちにまとまってしまい……こうやって「50代からする初めての脱毛」が実現したのだ!

「脱毛」というSM的行為に女子が抱く好奇心

 当日、彼女が僕の自宅で準備してくれたのは「ワックス脱毛」。2000円前後で購入できるワックス(ろう)を温めてから皮膚に塗り、冷めてチューインガムほどの硬さになったら毛並みと反対の方向へと一気にはがしてむしり取る――といった、なかなかに野性味溢れる、いかにもむっちゃ痛そうな脱毛法である。  いっぺんでやってしまうのは、あまりにおっかなかったので、片腕4回の計8回……という大雑把なプランを立てる。まずは、絡まり防止のため長すぎる毛を1センチほどまでカット。この段階で痛みへの不安がじわじわと膨らんでくる。チョコチョキと鋏を刻む音がカウントダウンにも聞こえる……。 脱毛 次に、ワックスを塗って、その上に専用のペーパーを貼り付け、Nちゃんはその隅っこを摘み、「やるよやるよ…」と僕をビビらせる。 脱毛 脱毛 イタズラな笑みを浮かべる彼女の眼は、心なしか瞳孔が開いている。 「ビリッ!」 「あひょ~~~~~~~~~っ!!」  名だたるリアクション芸人に勝るとも劣らない“完ペキな悲鳴”が室内に響きわたる。Nちゃんの表情は恍惚感を増していく。もしかして、濡れてるんじゃないのか……?
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「もうやめよっかな…」
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大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など

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