「掛け布団と毛布、どっちを上にするか?」問題は「毛布が上」だけが正解ではない
―[元ふとん屋が教えます/大野悦史]―
こんにちは、元ふとん屋店長の大野です。季節は大寒、いよいよ1年で一番寒い時季に入りました。
読者の皆さんは、あまりの寒さに眠っている間も暖房をつけっ放しにしてしまったりしていませんか? それだと電気代や乾燥が気になりますよね。
そこで今回は、掛寝具の効率的な使い方をご紹介します。ズバリ、毛布は掛けふとんの上か? 下か? という問題です。
とはいえ最近、この手の話題はメディアでも頻繁に取り上げられてますので、皆さんご存じですよね。「毛布は掛けふとんの上」。これが正解です。
でもこれでは話が終わってしまうので、今回はもう少し掘り下げてみましょう。
そもそも毛布を一番上で使うべきなのは、なぜでしょうか? これは掛けふとんがなぜ暖かいのか? というところから始まります。
基本的に掛けふとんは自分では熱を発しません。あくまでも人の放出する熱を蓄えてくれるから暖かいんです。これは中わたが羽毛だろうがコットンだろうがなんでも同じです。
掛けふとんの厚みを「かさ高」と言いますが、それが大きいほうがいいという風潮がありますよね。「こ~んなにふっくら」などと広告でやっているアレです。それは、かさ高が大きいほど(ぶ厚いほど)、よりたくさんの熱を中に蓄えられるから、というわけです。
でも熱を蓄える前の寝入り段階では、まだ掛けふとん自体は冷たいので、早く暖かくするには身体に近いほうが伝導しやすい。従って掛けふとんは一番下で使ったほうが効率的だ、ということになります。
また眠っている間に、掛けふとんが蓄えた熱はどんどん逃げていきます。つまり冷めないよう、常に人体から熱を供給し続けてあげる必要があるんです。
そのためにもやっぱり身体に近く掛ける必要があるんですね。毛布を下にして使うと断熱されて、掛けふとんに熱が届かなくなってしまいますから。
一方で、蓄えた熱が逃げていくのは上です。そこで掛けふとんの上に毛布をのせておくと断熱効果が得られます。鍋に蓋をしておくとお料理が冷めにくくなるのと同じ感覚ですね。
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