デジタル

スマホやPCのカメラで盗撮・録画される恐怖。手軽にできる対策とは?

~柳谷智宣の「デジタル四方山話」第21回~

 ノートPCにはスカイプなどのテレビ通話に利用できるウェブカメラが搭載されている。小さな子供やペットの様子を見たり、留守中の防犯などのために監視カメラを導入している家庭も多いだろう。しかし、きちんと設定をしたり、セキュリティに注意していないと、のぞき見されてしまう可能性がある。

盗撮・録画されていることに気づかないPCカメラの乗っ取り

 PCに感染してウェブカメラの映像を外部からアクセスできるようにするマルウェアが存在する。これに感染すると、画面上には何もウィンドウが開いていなくても録画中のLEDが点灯しなくても、見知らぬ誰かに盗撮され放題になってしまう。2015年にはイギリスで逮捕された男は、14人のPCを毎日何時間も盗撮しており、驚いたことに半数は顔見知りの相手だったという。利用したのは「Blackshades」というマルウェアで、この制作者はすでに逮捕されている。2016年には小さな女の子の部屋に設置したカメラに不正アクセスされ、その動画をネットに流されてしまった。その娘の親はFacebookで映像の漏洩を知ったと言うが、その時の恐怖は想像に難くない。

あなたの行動も盗み見られているかも

 ピンポイントで狙った相手のカメラに侵入するには技術が必要だが、網羅的にチェックしてセキュリティに穴のあるカメラを見つけることは難しくない。そんなカメラに不正アクセスし、ネットに公開している輩もいる。現在でもそのようなサイトは複数あり、リアルタイムで膨大な数の映像が晒されている。日本のカメラに絞っただけでも2000件近くが不正アクセスされており、工場や駐車場などのリアルタイム映像が漏洩している。港の出港案内板や人が働いているオフィス内、一般家庭の入り口を映しているカメラもある。信じられないことに、一部のカメラは設定画面に入れることもある。カメラの向きを変えたり、録画データを送信するように設定することができるのだ。  Androidスマホでもスパイアプリが確認されている。基本的には、ユーザーがインストールする必要があるので、ハードルはPCよりも高い。しかし、偽情報で誘導されたり、ユーザーが見ていないところでインストールされてしまう可能性はある。スパイアプリがインストールされると、ユーザーにわからないように遠隔地から撮影できてしまう。スマホを操作している顔が写るくらいならいいが、テーブルに置いていて、生活シーンがまるごと見られ続けるのは怖いだろう。
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手軽で完璧な盗撮防止方法はアナログなあれ
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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