カーライフ

あおり運転の被害者にも加害者にもならないために考えるべきこと

 東名高速での「あおり運転」事故で、逮捕された石橋被告に懲役18年の一審判決が出た。  石橋被告のような、あおり運転の常習者は非常に特殊な例だが、世の中、運転中にカッとすることはよくあるし、なかには「コノヤロー!」と真剣に怒ってしまうこともしばしばではないだろうか?

話が通じる相手ばかりとは限らないことを学ばなければならない

 それがトラブルにまで発展してしまう可能性は、誰しもゼロではないだろう。

日本は犯罪率のわりに運転トラブルが多いと感じる理由

 もちろん人間だから、怒ることもあるのは当然だが、この「運転中に爆発する怒り」に関しては、日本が一番多いのではないか、と私は感じている。私は海外20か国で運転した経験があるが、正直なところ、日本人ドライバーが一番よく怒り、それを根に持つ傾向にあるような気がする。  もちろん海外にも、瞬間的に怒りを炸裂させるドライバーはいるが、せいぜいホーンを鳴らすとか、窓から腕を振り上げておしまいという感じで、相手を追いかけたり、進路妨害をしたりというのは、見たことも遭ったこともない。

追い越されて「ムカッ!」ときた人は注意。殺される覚悟で報復する意味はないはず

 日本人は、基本的には和をもって尊しとなす穏やかな特性を持っている。犯罪発生率も非常に低い。しかし、運転トラブルに関しては、少なくとも多いほうの部類には属するだろう。  背景にあるのは、日本人の同質性だ。日本で運転している限り、周囲のドライバーはほぼすべて日本人だ。つまり、自分と同じメンタリティやルール意識を持っているはず。そこから外れた行動を取るのは許せない!となりやすい。  たとえば合流。日本では、自分の前に合流されることを、「割り込まれる」という被害者意識で捉える傾向がある。「少なくともお礼くらい言え」といった感覚で、無遠慮な合流は失礼な行為。制裁の対象となるべきだ、という意識が働きやすい。  しかしこれは、同じルール意識を持っていることを前提にしたもので、相手が外国人だったら、「しょうがないな」と思うのではないだろうか?
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無駄なトラブルを避けるためにすべきこと
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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