更新日:2018年11月11日 12:24
カーライフ

「勝手にデカいクルマ選手権」乗用車最大級は幅2065mmのキャデラック

 輸入車がどんどんデカくなるもんだから、国産車もどんどんデカくなっている昨今。そんななか日本で売っている新車のなかで、もっとも幅広なクルマが4代目キャデラック・エスカレード。初代はギリギリ2m以下でしたが2代目以降は2m超え。こんなクルマで下町の狭い道に迷い込んだら最後、無傷で脱出する自信がありません! 今回はそんなクルマのサイズの話です。 オートクラブMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

車幅がエスカレートしているのはエスカレードだけじゃない!

 クルマの幅が、世界的にどんどんデカくなっております! 長さや高さ的にもデカくなってるけど、道路には幅ってもんがあるので、一番ダイレクトに困るのが車幅であります!  実は、長さに関しては多少なりともタガがある。中国では、全長6mを超える乗用車は税金がガバッと高くなるとかで、かのロールスロイス・ファントムEWBも、新型はあえて全長を若干縮め、ギリギリ6m以内(5990mm)に抑えたとか。中国は世界最大の自動車市場なので、乗用車の全長は6mまでというのが、今後も目安になるでしょう。  ところで、そのファントムの全幅はというと2020mm。これが世界最大かと思ったらそうではありません。現在、日本で正規販売されている乗用車(新車)のなかにも、もっとデカいのがいくつかある。その代表がキャデラック・エスカレード。全幅2065mmであります! オートクラブ 2mを超える全幅のクルマって、どんだけデカいんだと思われるでしょう。「車線、はみ出すんじゃないの?」とか。実際には、1車線の幅はおおむね3m~3.6mあるので、そこからはみ出すことはないですが、だから余裕とも言えない。センターラインのない狭い路地もいっぱいあるので。  ただ、実際にエスカレードに乗ると、ビビるのは車庫入れくらいで、走ってる限りそんなに困ることはなかったです。すれ違いが困難な狭い道では、たいてい相手が譲ってくれるし、ボディも真四角に近いので、見切りがとてもいい。左ハンドルのみというハードルもあるけど、それも慣れの問題だ。  私がこれまで乗ったなかで、車幅で一番ビビッたのは、フェラーリ・エンツォ(全幅2035mm)でした。全幅はエスカレードよりちょびっと狭いけど、運転席に座ってると、ボディがどこまでも末広がりに広がってるようで、まったく車幅感覚がつかめなかった。環八走ってて、隣のクルマにスソを踏まれるんじゃないかって冷や汗がドバドバ出た。お値段とっても高いし。
オートクラブ

全幅2035mm! フェラーリが創業55周年を記念してつくったフェラーリ・エンツォ。限定399台の生産で中古価格は1億円を超えています

 一方、ほぼ同じ全幅のランボルギーニ・アヴェンタドール(全幅2030mm)は、はるかにラク。フェラーリよりランボルギーニのほうがカタチが直線基調なので、車幅感覚がつかみやすかったのです。ノーマルより全幅の広いアヴェンタドールSV(2098mm)に乗っても、差はわからず。人間の感覚っていーかげんというか繊細というか。
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全幅2030mm! ランボルギーニ・アヴェンタドールは4490万4000円~で買えます

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ところで、乗用車のサイズに制限はないの?
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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