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発達障害者たちの深刻な「性の悩み」

 発達障害の当事者たちは、その特性からさまざまな場面で困難に直面している。過去2回にわたり大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。今回はそんな発達障害当事者たちの性の悩みにせまる。
発達障害

※写真はイメージです

当事者たちの性の悩みとは?

 家庭での問題には、なかなか表に出にくいデリケートな面もまた存在する。 「傾向を抑える薬の副作用で勃起を持続させることができず、主治医と相談したうえで、バイアグラのジェネリック医薬品で対応している」(23歳・男性・ADHD傾向)  ADHDに処方される「ストラテラ」には「勃起不全」という副作用があるといわれている。そのため、セックスの最中に中折れしてしまい、セックス自体が嫌になってしまう発達障害当事者は少なくないという。 「最中に集中力を切らして別のことを考え始め、冷めてしまう」(40歳・男性・ADHD傾向)  また、多動傾向があると目の前の相手に集中することができず、行為自体がうまくいかないといったケースも。 「感覚過敏が強く、他人の肌に触れるのが苦手なため、性欲はあるのにセックスはどうしても好きになれない」(29歳・男性・ASD、ADHD傾向)  必要に迫られた際には睡眠薬も服用、できるだけ感覚過敏を鎮め、感覚を鈍らせることで相手の肌に触れられるようにしているとのこと。発達障害の傾向が足かせとなる局面は至るところにあるのだ。
発達障害

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●ASD(自閉症スペクトラム障害)……相手の目を見て話せない、冗談や比喩が通じないなど、コミュニケーションにおいて困難が生じる。また、特定分野に並々ならぬこだわりを持っている場合もある ●ADHD(注意欠陥・多動性障害)……不注意や、多動・衝動性がある。予定のダブルブッキングや遅刻など、ケアレスミスが発生しやすい。また、思ったことをすぐ口に出してしまうケースもあるため、人間関係のトラブルに繫がることも ― 発達障害グレーゾーン ―
発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る

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