更新日:2023年03月21日 16:00
カーライフ

セダンやワゴンが国産車から消えゆくなか輸入車だけが生き残っている謎

 我々が子どものころ、家にあったクルマと言えばたいていセダンだったはず。実家が商売をしていた担当Kの場合、父親がライトバンを乗り継いでいたため、マークⅡやグロリアなどに乗っている家庭がうらやましかったとか。あれから30年……。国産セダンの新車なんて滅多に出ないのが当たり前のなか、なぜかセダンやワゴンが元気な輸入車の謎に迫りました! オートクラブMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

国産車では絶滅危惧種のセダンやワゴンが輸入車では元気な理由

 今回はボディタイプを、服に譬えてみたいと思います! 軽自動車→サンダル コンパクトカー→Tシャツ ミニバン→ジャージ SUV→お洒落スポーツウェア セダン→スーツ ステーションワゴン→ジャケット  我が国でもかつてはスーツが主流で、それ以外はブルーカラー的な扱いでした。その後、配達用だったステーションワゴンがオシャレ着に昇格し、ブームが起きた時期もありましたが、21世紀に入ると、サンダルやTシャツ、ジャージの勢いに押されまくり、いずれも消滅の危機に瀕しております!  現在の大まかなシェアは、サンダル4割、Tシャツ2割、ジャージ2割、お洒落スポーツウェア1割、スーツやジャケットは足して1割弱!  おかげで、国産のスーツやジャケットは、恐ろしい勢いで市場から撤退しました。  国産スーツは、もともとドブネズミ的なサエないオッサンイメージが強く、そこから脱することができませんでしたが、現在は顧客がそのまま高齢化してほぼジジイ専用に。国産ジャケットはすべてが中途半端ということで、絶滅寸前に追い込まれています!  ところが、輸入車の世界では、まだまだスーツやジャケットが強い。なにせ海外メーカーは、日本で主流のサンダルやジャージを作ってないっていう事情もありますが、それにしてもなぜ、輸入車のスーツやジャケットは生き残れたのか?  それは、ブランドものだからです! 輸入セダンやワゴンに乗っているのは人生の成功者。それに乗れば、ジャージ等で満足している大衆を見下すことができる。だからあえて窮屈なスーツやジャケットを着るのです!
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プジョー508はまさにヤンエグ
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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