更新日:2023年03月21日 15:50
カーライフ

東日本大震災後の東北の道路は今? 新規開通高速&復興道路を走ってみた

 この3月、東北地方で高速道路(自動車専用道路)の新規開通が相次いだ。これは、高速道路マニアとして見過ごせないものだった。 ・3月9日 釜石道が全線開通(東北道と釜石市が直結) ・3月21日 三陸道が宮古市までほぼ開通(東北道や常磐道と直結)  東日本大震災が発生するまで、三陸沿岸は高速道路不毛の地だったが、大震災後、”命の道”復興道路として急速に整備が進み、この3月の追加開通で、非常に便利になったのだ!  高速道路マニアにも、鉄道マニアの「乗り鉄」的な思いがある。日本中すべての高速道路を走ってみたいという欲望だ。まだ走ったことのない釜石道と三陸道を走るのは、このタイミングをおいてなかろう。

全線開通した常磐道で東京から仙台へ

 午前6時に東京を出発。一路常磐道を走る。常磐道は、福島第一原発の避難指示区域を横切りつつ、4年前に全線開通している。私はその直後に走行したが、今回は初めて仙台まで一気に向かう。

拡幅中のいわき中央-広野間には放射線量表示板が

 4年前、避難指示区域では、ほぼすべての田畑の上に除染土壌等を入れたビニール袋が並んでいたが、それらは仮置き場に集められたらしく、今回は見当たらなかった。折しも桜が満開。周囲は美しいニッポンの田園風景そのものだが、避難指示区域だけは人の気配がなく、屋根が一部朽ちた廃屋も目に付く。しみじみ。  前回はまだオープン前だった南相馬鹿島SAの店舗施設「セデッセ鹿島」は、平日にもかかわらずそこそこの人出。

南相馬鹿島SA

 常磐道は、いわき中央IC以北の区間128kmが暫定2車線だが、このうち41kmの4車線化が決定しており、2020年度の完成を目指して拡幅工事が行われていた。残りの区間も、要所要所で付加車線設置工事が進行中だ。ただ、それが完成しても、全線4車線以上の東北道には、快適性の面でとてもかなわない。なるべく早期に、常磐道の全線4車線化を進めていただきたい。さすれば東京から仙台まで、高速道路の完全なダブルネットワークが完成する。もちろん復興支援にも資する。
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料金無料の復興道路・三陸道から国道45号へ
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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