更新日:2023年05月24日 16:13
仕事

「パワハラ上司が嫌なので転職したい」貯金1000万円ある男性26歳の悩み

 “外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

パワハラ上司が嫌なので転職したい

パワハラ上司

※写真はイメージ

★相談者★ ウェルド(ペンネーム) 会社員 男性 26歳  転職の相談です。私は今、大企業に勤めていますが怒鳴る挨拶無視の上司や対処しきれない仕事などで転職を考えています。後ろ向きな理由での転職は今後の人生にとって大きなマイナスだと自覚しています。どんな職場環境でも大企業のため福利厚生や給料、安定性、社会的地位など優位な点を多々自覚します。仕事でのミスが多く何が正しい判断なのか仕事でもプライベートでも自分ではわからなくなっている状況です。  日々の生活ではそこまでお金を使わず貯金は1000万円を超えました。年収が少なくてもミニマムな生活を送れるのでは。そしてストレスフリーな生活なら幸せなのかなどと考えてはみるものの答えはきっと誰も知りません。アドバイスをいただけたら幸いです。 ◆佐藤優の回答  日本の起業率と廃業率は年4%です。この逆数を取ると会社の平均寿命になります。すなわち日本の会社の平均寿命は25年です。一方でアメリカは年10%で、会社の平均寿命は日本よりかなり短く10年になります。  日本でも、会社の寿命が短くなる傾向があります。それに伴って、企業は即戦力となる人材を求めるようになります。中原圭介氏はこう述べます。 =====  日本の多くの企業はこれまで、新卒の学生を春にまとめて採用し、入社後に配属先を決めてきました。通常は2~3年の異動を繰り返し、多岐にわたる部署を経験しながら昇進していくという終身雇用の仕組みで採用するのが主流だったのです。 (中略)ところが今や、これまで企業が選択してきたこの方法が大きな転機を迎えています。経済のグローバル化やそれに伴うGDPの低成長に加えて、人口減少による人手不足や経済のデジタル化が加わり、良質な商品をつくれば売れるという時代ではなくなってしまいました。企業は従来のビジネスの考え方から脱し、商品を幅広いサービスと絡めなければならないため、新卒一括採用では移り変わりが速い時代に対応できなくなってきたのです。(『定年消滅時代をどう生きるか』64頁) =====
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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