新型コロナウイルスの影響で働き方は一変。3密を避けることでAI化やロボット化の波は一気に加速する結果に。果たして、コロナ禍によって消えゆく職業とは……? 近い将来、訪れるであろう大変革を予測する!
今年2月、ローソンは手と顔情報で生体認証できる技術を搭載した「レジなし店舗」をオープン。この技術があればレジ打ちも不要に
キーワードは非接触と自動化。コロナでなくなる仕事とは?
コロナの影響で多くの産業が衰退するなか、なくなる仕事も生まれるはず。今後の変化について「人との接触が必要、かつ自動化できる仕事は激減する」と語るのは、人事ジャーナリストの溝上憲文氏だ。
「『3密』を避けた非接触が推奨され、
リモートワークができない対面型の仕事は淘汰されます。同時に、懸念すべきが仕事の自動化。以前から、多くの業務がAIやロボットに置き換えられると予測されていましたが、実現には10年、20年かかると目されていました。しかし、
コロナで非接触と効率化が求められ、各社で一気に業務の自動化へ舵を切っています」
経済評論家の加谷珪一氏も、こう続ける。
「コロナで直接の被害を受ける業種だけではなく、以前から『いずれなくなるだろう』と思われていた業種が、
コロナを機に消滅への速度を上げている印象です。アメリカの政治学者であるイアン・ブレマーが『
10年間かかるとされていた変化が、コロナの影響で1~2年の間に起こるはず』と提言して話題になりましたが、その通りの事態が起きつつあるのです」
では、具体的にはどんな職種が消えるのか。まず可能性が高いのは業績不振業界の販売店員だ。
「業績が悪化すれば、規模の縮小やコストカットが進みます。加えて、感染防止対策のため、細やかな
サービスよりも非接触が求められる以上、接客業の人員は減らされます。運休の急増や利用者数の激減が進む飛行機の客室乗務員や新幹線などの車内販売員は、真っ先に対象になるはず。そのほか、アパレル業の販売員や、ホテルや旅館の宿泊対応係なども同様に人員整理が進むでしょう」(加谷氏)
「外食産業では、ロイヤルホストやコロワイド、ワタミ、吉野家といったチェーン店で店舗閉鎖が進み、店舗総数が減りつつあります。また、くら寿司やローソンなどの一部店舗では、自動案内や自動会計システムを導入し、省力、省人化を推進。そうすれば
ウェイトレスや小売業販売員なども、不要になってゆくでしょう」(溝上氏)
「ロイヤルホスト」のロイヤルHDは約70店舗を’21年末までに閉店すると発表。すかいらーくHDも7月から深夜営業を全店で廃止
そして、密集回避の風潮により、被害を受けるのが以下の職種だ。
「生花業界は冠婚葬祭で成り立っていましたが、イベントがなく、需要が激減。
生花販売員も減少するでしょう。密集できないのはエンタメ業界も同様。
イベントや舞台の運営業者はもちろん、タレントや俳優などの芸能人、アーティストなどは発表の場を失うことで、仕事がなくなる可能性も」(加谷氏)