更新日:2020年09月13日 19:15
スポーツ

プロ野球の主力を担う30歳。“則本・浅村世代”の実力を総点検する

 日本のプロ野球界は“松坂世代”や“大谷世代”というように、よく世代で語られることがある。なかでも今年30歳を迎える1990年生まれ世代はまさに選手としては脂の乗り切った時期で、チームの主力となる存在だ。その’90年生まれの代表が投手なら則本昂大、打者なら浅村栄斗の東北楽天ゴールデンイーグルスコンビだろう。仮に“則本・浅村世代”としておくが、ではこの世代では他にどんな選手がいるのだろうか。  というワケで、今回はそんな“則本・浅村世代”で頑張ってる選手3人と逆に“おいおい”とツッコミを入れたくなる選手2人をご紹介したい。

ローテーションの大黒柱 西勇輝(阪神タイガース・投手)

 1人目は則本と並ぶ、この世代を代表する投手である。’18年オフにFAでオリックスから阪神へと移籍した西勇輝だ。オリックス時代は10年間で74勝をマークするなど、パ・リーグを代表する投手の1人であった。  阪神への移籍1年目となる昨季は26試合に登板して自己最多の172回1/3を投げ、チームトップの10勝に防御率も2.92という数字を残した。6月21日の対埼玉西武戦では日本プロ野球史上149人目となる公式戦通算1000奪三振もマークしている。  シーズンオフには阪神の投手としては史上初となるゴールデングラブ賞を受賞するという快挙も成し遂げたのだ。さらに今シーズンは開幕戦では自身プロ入り初のホームランを放っている。日本プロ野球の開幕戦での投手の本塁打は史上12人目の快挙で、阪神の投手に限っては’38年の御園生崇男以来、82年ぶりの出来事であった。  とはいえ、やはり西に期待されるのは、チームを勝利に導くピッチングだ。今季もローテーションの柱として投手陣をけん引していきたいところだ。

2度の盗塁王に輝いた俊足好守の名外野手 金子侑司(埼玉西武ライオンズ・外野手)

 2人目は50メートル走で5秒7を記録する、この世代屈指のスピードスターだ。’12年ドラフト3位で埼玉西武入りした金子侑司は昨年までの7シーズンで計195盗塁を記録している。その内訳は’13年から順に12、21、11、53、25、32、41。’14年の21個はチーム最多だが、’16年の53個と’19年の41個はともにリーグ最多で2度の盗塁王に輝いているのだ。  守っても俊足と広大な守備範囲でチームに貢献する名外野手だ。ただ、昨シーズンは自己最多の133試合に出場するも打率が2割5分1厘と低調に終わった。7年間の通算打率でも2割4分7厘で、うち100試合以上出場したシーズンでの最高打率が’16年の2割6分5厘と打撃面が課題なのが明白なのである。今年はプロ8年目を迎え、中堅選手の域に達した。“走”“守”だけでなく“打”でも輝けるか、注目だ。

あの人気バラエティでもお馴染み 杉谷拳士(北海道日本ハムファイターズ・内野手/外野手)

 3人目はこの世代きってのバイプレイヤーだ。内外野すべてのポジションを守れるユーティリティープレイヤー・北海道日本ハムの杉谷拳士である。テレビ朝日系で不定期に放送されている『夢対決! とんねるずのスポーツ王は俺だ! スペシャル』内の1コーナー、“リアル野球BAN”に石橋貴明の高校時代の後輩として登場する現役のプロ野球選手としてもお馴染みの存在だ。  杉谷は東京の強豪・帝京から08年のドラフト6位で入団後、プロ7年目の’15年に主にセンターやライトでの先発出場の機会が増え、最終的には規定打席未満ながら、自己キャリアハイの打率2割9分5厘をマーク。その活躍が認められて翌’16年から背番号がこれまでの“61”から“2”へと変更されている。  さらにスイッチヒッターでもある杉谷は昨シーズン5月23日の東北楽天戦でプロ野球史上19人目で42度目となる記録を打ち立てた。“左右両打席本塁打”である。しかも2打席連発であった。この’19年は自身キャリアハイとなるシーズン4本塁打を放ったほか、代打で打率3割5分7厘をマークするなど、勝負強い打撃が光った。今季も貴重なバックアップメンバーとして欠かせない戦力。渋くてもキラリと光る活躍を見せている。  そしてここからは則本・浅村世代のがっかり選手2名をご紹介。入団当初の期待を大きく裏切ったのは……。
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未来のエースから故障続きの“ガラスのエース”へ…
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