日本人が死亡したインドネシアの“密造酒”。横行する原因は?
インドネシア在住の日本人が密造酒を飲んで死亡した話題は、日本国内でも大きく取り上げられている。実のところ、インドネシアでは「密造酒による大量死」は決して珍しい話ではない。一度に数人程度が落命する事案はジャワ島内ではよくあることで、場合によっては数十人が中毒死する場合も。危険な密造酒の流通はだいぶ以前から同国の社会問題になっているが、解消する気配はまったくない。それにはインドネシアの国内事情が絡んでいる。インドネシア在住経験のある筆者が解説したい。
9月28日、在インドネシア日本大使館は公式サイトにて、密造酒を摂取したことが原因と見られる邦人の死亡事案が発生している、と発表した。
これはTwitter等のSNSでも拡散された。21世紀の今、密造酒で人が死ぬことなど日本ではまずあり得ない。終戦直後に流通した「メチルアルコール酒」を連想した人は少なくないはずだ。日本大使館は、以下のように呼びかけている。
・ジャカルタ首都圏内において、非正規の自家製アルコール飲料(いわゆる「密造酒」「闇酒」)を摂取したことが原因と見られる在留邦人の死亡、中毒症状の発症等の事案が発生しています。
・同アルコール飲料(リキュールに似た洋酒)は,既に他の在留邦人等にも流通している可能性があります。もし疑わしき飲料がお手元にある場合には絶対に飲まないでください。既に飲んでしまった場合は、自身の体調の変化に十分注意してください。
・いかなる場合でも、「密造酒」や「闇酒」と呼ばれる非正規のアルコール飲料の購入及び摂取は絶対にお止めください
「そんなの分かってるわ!」と叫びたくなるような内容だが、現実問題として首都ジャカルタでも密造酒が横行している。なぜか?
日本大使館が注意喚起
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