妻の不倫を知る夫が離婚を選択しない理由
パートナーが不倫をしていることを知りながら、離婚しない夫婦もいる。
「簡単なことです。義父が会社を経営しており、婿養子である私が社員として勤めているからです。跡取り息子がいないため、このままいけば私が次期社長として後を継ぐ可能性が高い。けど、離婚となれば状況は不透明です。慰謝料として数百万円はもらえると思いますが、たかがそれっぽっちの額で今の地位は手放せませんよ」
4歳年下の妻とは14年前に約2年の交際を経て結婚。しかし、結婚6年目に2人目の子供が生まれて以降は夜の生活が激減。ここ5年はまったくないという。
「当時、長期の海外出張などで家を空けることが多く、たまに家に戻って誘おうとしても『疲れてるから』と断られていたんです。そういうことが重なり、私も次第に誘うのが億劫になったんです」
それでも夫婦としての会話もそれなりにあり、関係が冷え切っていたわけではなかった。小橋さんも出産を機に妻とレス状態になる夫婦が多いことは知っていたため、仕方ないと割り切って深刻に考えていなかったそうだ。
「私自身、そこまで性欲が強いほうではなかったので。それに会社で責任あるポストを与えられ、むしろ仕事のほうが面白いと感じてそっちにやりがいを感じていました。あまり妻の相手をしてやれず、それでほかの男に走ってしまったのかもしれませんね」
そう言って妻の不倫に理解を示すが、怒りや憤りはなかったのだろうか?
「今でこそ吹っ切れましたけど、さすがに不倫を知ったときはショックでしたよ。服の趣味が以前と変わったり、私が出張のない時期にも妻は外出することが多く、直観的に怪しいと感じたんです。それで調査会社に頼んで調べてもらったら結果は真っ黒。これでもし離婚となった場合、婿入りしていた私は会社に残るのは難しいかもしれない。仮に残れたとしても婿でなくなった人間は、社長候補から脱落すると考えるのが当然です」
内容が内容だけに誰にも相談できず、悩んだ末に小橋さんは妻と直接話し合うことを決断する。それはあくまで離婚ではなく夫婦関係の継続を前提としたものだった。
「調査会社の報告書や不倫相手の男と一緒にいる写真を妻の前にぶちまけたわけではないですが、不倫の事実だけでなく相手の男性の素性も知っていることを淡々と話しました。妻は私が知っていることに大変驚いた様子でしたが否定や言い訳などはせず、素直に不倫を認めました」
妻からは謝罪の言葉があり、彼女も離婚の意志がないことをその場で話したそうだ。ただし、続けて発した予想外のひと言には思わず耳を疑った。
「『あなたとは離婚したくないけど、彼(不倫相手)とも別れない』と言ったんです。一瞬、意味が理解できなくて、もう1回言ってもらいました(苦笑)。なんでそんな結論になるのかワケがわかりませんでしたが、『それがダメなら離婚になっても仕方ない』って。私としても離婚は絶対に避けたかったので、この無茶苦茶な要求を受け入れることにしたんです」
小橋佳孝さん(仮名・45歳)は、今も妻が年下男性との不倫を継続中。そのことを知りながらなぜ別れないのだろうか?
離婚して今の地位を失いたくない
夫婦ともに離婚は避けたいと考えが一致
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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