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『Among Us』『ウマ娘』…人気沸騰中のアプリは真の覇権ゲームになれるか?

ゲームコラムニスト・卯月鮎

卯月鮎

 最近のゲームアプリ市場は安定期に入り、大ヒットタイトルが出にくくなってきていると言われています。その状況下で、2本のゲームの人気が急上昇して注目を集めています。  1本は、昨年下半期に世界的な大ブレイクを果たした“宇宙人狼”こと『Among Us(アマングアス/アモングアス)』。もう1本は、実在の名馬たちを美少女化した育成シミュレーション『ウマ娘 プリティーダービー』。2本はこのまま“覇権ゲーム”となれるでしょうか?

2020年に世界で一番DLされた海外発の人狼ゲーム

『Among Us』 iOS、Android、PC(Steam)、Nintendo Switch/InnerSloth/iOS、Android:基本プレイ無料 PC、Nintendo Switch:520円 『Among Us』は、アメリカの小さなインディーゲーム会社InnerSlothが開発・運営する人狼系ゲーム。4~10人のプレイヤーが宇宙船の中で働く「クルー」と、その中に紛れ込む偽者「インポスター」の2組に分かれ、騙し合いを繰り広げていきます。
Among Us

『Among Us』。ポップでかわいい宇宙飛行士のキャラデザも印象的

 クルー側はインポスターを議論・投票で排除するか、船内でタスク(ミニゲーム)を完了すれば勝ち。インポスターはクルーを密かに殺害していき自分側と同数にすれば勝ちです。  2018年にリリースされたゲームですが、海外で人気実況者が取り上げたことで昨年半ばから大ブームとなりました。日本でも昨年冬頃から火が点き、先頃スマホアプリでの日本語対応も完了して(Nintendo Switch版は日本語対応済み)、さらなる浸透が期待されています。  誰がインポスターかを見破る(見破られないように行動する)という人狼的な駆け引きが面白いのはもちろん、キャラを動かして宇宙船内を移動するアクション的な要素によって、常に緊張感が生まれ間延びしない作り。1プレイも15分前後とちょうどいいボリューム感です。
Among Us

Nintendo Switch版『Among Us』。インポスター側は隙を突いてクルーをキルする

 すでに昨年9月末時点で総DL数1億を突破し、「2020年に世界で一番DLされたゲーム」とニュースになりましたが、課金要素は今のところアバターの衣装のみで売上高はランキング上位には入っていません。  多数の人が集まっている現状を今後どのように活かしていくかが、『Among Us』が“覇権ゲーム”となるための条件と言えるでしょう。少人数開発のため、既存ユーザーに飽きられる前にさまざまな展開を進められるかは未知数です。  また、『Among Us』がヒットしたことで、他ゲームへの「人狼系」の波及も予想されます。いち早く『荒野行動』が新モード「荒野人狼ゲーム」を追加しましたが、裏切り者がいるスポーツゲーム、RPGなども増えてくるかもしれません。
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遅れてきた大物『ウマ娘』の驚異の末脚
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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