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沖縄の夜の街。再三の時短要請の陰にクラスターを公表しない店の存在が

感染者増加中の沖縄、クラスターを公表せず

 緊急事態宣言解除とともに増加し続ける新型コロナの感染者数。沖縄県の累計感染者は1万人を超える勢いで、県知事の玉城デニー氏は4月1日より沖縄本島中南部中心の飲食店や接待を伴う遊興施設に対して、午後9時までの営業時間短縮を要請すると発表した。
松山

時短営業が決定した松山の様子

 特に感染者が増加しているのは、県内屈指の歓楽街でもある那覇市松山。今年2月に県独自の緊急事態宣言が解除されたばかりの松山で、いま何が起きているのか、現地を取材した。

キャバクラは価格破壊を起こしている

「松山ではキャバクラやホストクラブでのクラスターが度々発生しているのですが、公表している店はほとんどありません。さらに2月までの緊急事態宣言で、最近はさっぱり客足が途絶えていました。  最近は県外からの出張客が少しずつ戻ってくるようになったのですが、また時短になるのかというのが正直なところ。特に内地キャバクラはこの1年間で閉店した店も多く、さらに新しいキャバクラが入ったりと入れ替わりが激しいです。逆にウチナンチュー(地元民)のキャバクラは割と忙しそうな印象ですが、気が緩んでいる人が増えていてマスクをしていない客もいますね」  そう語るのは、松山の路上でキャバクラの客引きをする男性。内地キャバクラとは沖縄県外の女性がリゾートバイト感覚で沖縄のキャバクラに期間限定で働きに来るキャバクラのこと。客は本島から出張に来るビジネスマンが主でコロナ流行前の松山は内地キャバクラバブルの渦中にあった。  だが、昨年4月の緊急事態宣言中以降は客足が激減。1時間1万円(2人だと1人5000円)だった客単価は現在、客引きの言い値で値下げされるという価格破壊を起こしているという。
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コロナに感染したキャバ嬢の話
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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