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坂口杏里、コロナで収入ゼロ「悔しい気持ちでいっぱいです」/コロナ禍の日本

―[コロナ禍の日本]―
 コロナ禍のまま2度目のゴールデンウイークに突入。これまで取材してきた新型コロナの影響が直撃し困ってる人々を今一度振り返りたいと思う。2021年2月7日掲載記事より、時短営業が続くなか、コストをまかなえず、客の来ない無人の店で頭を抱える店と月180万円の協力金で潤う店で格差が広がる実態だ。

夜の街で働く元タレント。店休業で収入ゼロに

坂口杏里

坂口杏里

 夜の街では、店が休業になり収入減に悩む人々も少なくない。歌舞伎町のクラブで働く元タレントの坂口杏里氏もその一人だ。彼女は一体どんな気持ちで緊急事態宣言の中過ごしているのか。話を聞いた。 「悔しい気持ちでいっぱいです。昨年末に大好きなお店と巡り合えて、年明けから本気で頑張ろうという矢先の緊急事態宣言。店は休業して収入はゼロに。今は貯金を取り崩して生活してます……」  そう語るのは、元タレントの坂口杏里氏。ホスト狂い、女優デビュー、逮捕など、波瀾万丈の人生を送る彼女だが、地に足をつけて、全身全霊で向き合っているのがバーやキャバクラなどの飲食業だ。 「生きるために働かなきゃ、と思って4年前に始めたのが、キャバクラでした。『お前なんか歌舞伎町から出ていけ』とか、酷い言葉を浴びせかけられたこともあったけど、私に会うためにわざわざ地方から来てくださるお客様もいて、ありがたいことに、コロナ前は300万円稼げた月もありました」  コロナ禍のことを聞くと、元おバカタレントの一面を覗かせた。 「私、ニュースとか見てなくて、コロナのことをよく知らなかったんですよ。1回目の緊急事態宣言のときに外に出たら『街、真っ暗じゃん。ヤバくない?』ってなって。そのときコロナの怖さを実感しました」

「秋頃にやっと営業が回復してきたところ」に…

 危機感を抱くのに一歩も二歩も遅かったが営業努力を重ねてきた。 「正直、『坂口杏里が働いてるから』ってお客様が来てくれると期待してたけど、そんなことはなかった。キャバクラでオンライン飲みを試したこともあったけど、全然ダメ。来店してSNSにアップしたら料金をサービスするとか、いろんな人に呼びかけて、秋頃にやっと営業が回復してきたところでした」  夜の街の飲食業を代表するキャストとして、これからの飲食業界の行く末を聞いた。 「キャストも厳しいですけど、何より厳しいのは、お店自体ですよね。全体のお客様も減るかもしれないし、店を開けたくてもビルのオーナーさんがダメだと言ったらそれに従わなくちゃいけない。緊急事態宣言が終わっても、コロナがなくなるわけじゃないので、怖くてお店に来られない人もたくさんいるはず。  不安は尽きないけど、それを表に出してしまったら、来てくれたお客様まで不安にさせてしまう。それはキャストとして失格……。大好きな歌舞伎町とお店のために、希望を強く持って仕事に打ち込みたいです」  こう語ったのは、中絶経験を告白した直後。インスタでは「中傷する奴、自粛終わったら店来て直接いって」と投稿していた。飲食業界で生き延びるためには、彼女くらい強くエネルギッシュに生きる覚悟が必要なのかもしれない。 坂口杏里【坂口杏里】 ’91年、東京都生まれ。母は女優の故・坂口良子。2世タレントで注目され、バラエティ番組などで活躍 ※2021年2月7日記事を再掲載 <取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/スギゾー。>
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