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「ライフ」安さで勝負のスーパー業界で、価格競争よりもこだわっているもの

 食料品や生活用品が揃うスーパーマーケットは、日々の暮らしに欠かせない存在だ。ライフラインとしての役割を担い、住まいの近くにあるスーパーマーケットへ足繁く通うことも多いのではないだろうか。  そんななか、食品スーパーマーケットで業界No.1の売上規模を誇るのが「ライフ」だ。四つ葉のクローバーのロゴが印象的で、関西・関東圏を中心に280店舗以上展開している。
小川啓

株式会社ライフコーポレーション 秘書・広報部の小川啓さん

 ライフと言えば「地域密着型」。今回は株式会社ライフコーポレーション 秘書・広報部の小川啓さんに、地域密着にこだわり続けてきた理由や、コロナ禍による消費者志向の変化について話を聞いた。

各店舗の均一化よりも“地域に合った”品揃えや売り場づくり

 街中にはさまざまなスーパーマーケットがあるなか、ライフは1961年の創業以来、「地域密着型」を掲げ、近隣の住民に愛される地域一番店を目指して運営してきた。  なぜ、地域密着にこだわっているのだろうか。  小川さんは「どのお店も同じような品揃えでは、お客様のニーズに応えられない」とし、次のように話す。
ライフ

首都圏、近畿圏を中心に285店舗を展開するライフ(2022年3月時点)

「チェーンストアの特徴としては、各店舗の標準化を図って均一化していくことで、生産性を向上させ、商品を安く提供できることが挙げられます。ただ、これだとどこのお店に行っても同じような品揃えになってしまい、地域ごとに異なるお客様のニーズに対応しきれないんです。そこでライフは、標準化も取り入れつつ、地域に合った品添えや売り場づくりを意識し、地元で一番愛用していただけるようなスーパーマーケットを目指してきました」  ライフの出店戦略として、山手線の内側や沿線といった首都圏への出店も重点的に行い、商圏を広げているという。  郊外やロードサイド店舗に比べ、店舗面積が限られるというデメリットがあるが、ライフ独自のプロセスセンター(製造工場)を持っていることで、小型の店舗でも品揃えを充実させることができるそうだ。

店舗によっては焼肉やアジアンフード専門の売り場も

 また、出店する地域によって品揃えを変える際には、近隣にあるスーパーマーケットで不便を感じていることや、扱ってほしい商品を消費者へヒアリングしているという。 「ライフの場合、1つの店舗を出すまでに結構な時間をかけています。首都圏の中でどの立地を狙うのか。その地域の実態調査を通して見えてくるお客様のニーズは何かなど、綿密な準備を経て出店を行います。さらに、オープン後も毎年Web調査を行い、お客様からのフィードバックを収集することで、店舗運営や品揃えの強化に反映しています。コロナ禍ではできていませんが、お店の休憩室などで、お客様と店長が直接対話する座談会を定期的に開催していました」  首都圏を中心に店舗を構えるライフだが、なかには他のスーパーマーケットにはない品揃えを充実させ、特色を出している店舗もあるそうだ。 「川崎にあるライフの店舗では、焼肉の品ぞろえを強化しました。というのも市場調査をしていくなかで、川崎の地域が焼肉の需要が高いことがわかったんです。そのため、通常のスーパーマーケットにも売られているお肉に加え、ホルモンや希少部位などの珍しい食材も扱っています。おかげさまでお客様から好評をいただいていますね。  また、東日暮里の店舗ではアジアンフードの品揃えを強化していて、ドリアンなどの南国フルーツを販売しています。近隣には外国人の方が多く住んでいるので、外国人のお客様にもおすすめできるような売り場づくりを心がけているんです」
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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