劣等感は克服できるものではない
9浪ポーズを決める9浪はまい(左)と、筆者カリス
コンプレックスをずっと引きずった挙げ句、自己評価が下がってしまい、憂鬱になったり、卑屈になったり、以下のように前に進めない人は多い。
●どうせ低学歴だから、自分に期待ができない
●どのみち低収入だから、幸せになれない
●しょせん低身長だから、自信が持てない
●とにかくコミュ障だから、人と話すのが怖い
●結局兄みたいに運動神経が良くないから、運動が嫌い
なかなか克服できないコンプレックスが原因で、承認欲求に振り回されたり、他人を攻撃してストレスを発散してしまったりする人も多いだろう。
しかしコンプレックスというのは、そもそも「ない物ねだり」であるので、基本的には克服できない。身体的・精神的制限や生い立ち、差別経験などはそもそも克服が不可能に近いし、学歴や収入なども簡単には変えられない。
もし克服が簡単であれば、コンプレックスはとっくになくなっているはず。長くこじらせている人だけが後から気づくものがコンプレックスなのだ。
だからコンプレックスは克服する代わりに、武器に変えて利用するのが得策であろう。
劣等感の解消法1:強みとして捉えて、良い面を利用する
劣等感の解消法2:弱みとして受け入れて、別の強みへの足掛かりにする
本稿では、テレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」(5月9日放送)に出演した
「9浪早稲田合格男」こと「9浪はまい」と
「16歳東大合格男」ことカリスが、劣等感を武器に変える方法について、お互いの経験を踏まえつつ対話していく。
実は僕も「激レアさんを連れてきた。」に去年出演した(2021年8月16日)。「激レアさん」とは、人とは違う道を歩んで苦しみ悶えながらも、まさに劣等感を武器に変えられた人なんだと思う。
カリス:テレビデビュー、おめでとうございます! すごい反応でしたね。「徒労に終わらなくてよかった10浪だけに」とか、YouTubeだけでなく地上波でもオヤジギャグをバッチリ決めていて、大好きでした!
はまい:ありがとうございます! 収録中はすごく緊張しましたが、いつもの自分らしさをアピールできるように頑張りました(笑)。
カリス:9浪してまで早稲田大学合格を目指した時点で、まさに今回のテーマにぴったりの、日本が誇る「コンプレックスの塊」なんじゃないかと思います。本日はどんどん意見を言ってください!
はまい:よろしくお願いします! 今は違いますが、確かに早稲田に合格するまでは散々学歴コンプレックスを引きずってましたね……。一般受験で早稲田に合格することで、僕は学歴コンプレックスを克服できましたが、めちゃくちゃ大変な道のりでした。
特に最後の年は、手が震えたり、表情すら動かなかったり、ボロボロな状態でした。でも、早稲田合格さえできれば「すべてを捨ててもいい」「すべてを賭ける価値がある」と覚悟していたので、9年も賭けたことにまったく悔いはないです。
カリス:断腸の思いで受験勉強を続けていたんですね……。でも9浪の末に合格を勝ち取ったはまいさんはとってもカッコ良いですし、尊敬に値すると思います! 9浪を人に薦められるかといえば、誰にも薦められないですが、「自身にとってどうしても重要なこと」の1つ2つに限っては、コンプレックスの克服を目指す道もありだとは思います。
たとえば、僕も日本語ができない自分に劣等感を抱いて、人と話すのをずっと避けてた時期がありましたが、本をたくさん読んで、短期間で要領良く言語力を高めることで克服しました。
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がける
Callisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『
カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中
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