映画復帰の伊藤健太郎が実感「自分に手を差し伸べてくれる人がいる」ありがたみ
伊藤健太郎さんにとって再始動となる主演映画『冬薔薇(ふゆそうび)』が公開中だ。名匠・阪本順治監督(『顔』『闇の子供たち』)が、伊藤さんとじっくりと話し合いをしたうえでオリジナル脚本を書き上げ、その場しのぎの人生を送ってきた青年・淳の物語を紡いだ。
――名匠・阪本監督とのお仕事ですね。
伊藤健太郎(以下、伊藤):このお仕事が決まって、たくさん連絡が来ました。俳優だけじゃなくて、仲のいい監督さんたちと会っても、「助監督時代に、阪本さんの助監督にどうしても入りたかったんだ」とみんな言うんです。そんな監督とご一緒出来て、本当に恵まれているなと思います。
――監督が脚本を書く前に、最初におふたりでじっくりお話されたとか。その際は正直、怖くなかったですか?
伊藤:正直、第一印象は怖かったです(苦笑)。完全に初対面だったのですが、入り口まではマネージャーさんが一緒に来てくれてたんですけど、はじめましての方と2時間ふたりきり、「えぇ!?」と思いましたね。「一体何を話すんだろう」と。もちろん、ある程度の覚悟はしていましたし、聞かれたことには全部素直に答えようと思っていました。ドキドキはしていましたけど。
――実際にお会いしていかがでしたか?
伊藤:すぐに、阪本さんの船に安心して飛び乗っていいんじゃないかと思えました。その2時間で、自分が生まれてからどんな環境で育って、どんな友達とどういう遊びをしてといったことも全部話しました。監督も、「じゃあ、次は俺の番だな」と言って、小さい頃からのお話しを色々聞かせてくださって、すごく素敵な時間を過ごさせてもらいました。
――そうして出来上がった物語をどう受け止めましたか?
伊藤:淳とは環境も性格も自分とは違うんですけど、生きているなかで感じていることとか、監督とお話しさせてもらったことが反映されている部分があって、自分と全然違う人間だとは思えない感覚でした。すごく苦しくなる部分や深いところで理解できることが多くて、自分が出てしまいそうで、逆に演じるのが難しいなと感じるところもありました。
『十二単衣を着た悪魔』(2020年11月公開)以来の映画出演となった伊藤さんに、本作への思いや、再び歩き始めた俳優業への決意を聞いた。
阪本監督と完全に初対面でふたりきりに
淳を「自分と全然違う人間だとは思えない」
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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