鼠先輩、“ぽっぽ”から14年。新曲の裏に「失敗も成功も含めた集大成が“今”なんです」
「僕を“二発屋”にさせてください」「もう一度、男にさせてください」
そう言って、かつてお世話になった知人や仕事関係者に頭を下げる。その人は、タレント・歌手の鼠先輩(49歳)である。現在、マネージャーはついておらず、今回の取材の段取りや各メディアとの調整も本人が行っていた。
35歳でメジャーデビュー以来、干支が一周まわっても「鼠先輩」としてしぶとく生き残ってきた。「好きなことをやろう」とは古くからよく聞く言葉だが、実際に続けることは簡単ではない。そこには、鼠先輩ならではの人生哲学があったのだ——。
「本当は2020年の“ねずみ年”に再ブレイクを狙って準備していたんですよ。そこで新曲を出せるという話もあったのですが、結局はコロナ禍で計画が崩れた。仕事を失って、収入もゼロになって。やることがなくなって、時間だけが有り余っているなかで自分と見つめあったんです。自分に何ができるのか、何をやるべきか……」
コロナ禍でイベントやコンサートの中止が相次ぎ、エンタメ業界の火は消えつつあった。
「まわりがどんどん元気がなくなって、歯痒い気持ちだった。エンタメは“不要不急”と言われていたけど、やっぱり絶対に必要だと感じた。今だからこそ、エンタメのパワーを届けたいと思って」
悩んだ末に、湧き上がってきたのは「自分は“歌手”である」「もう一度曲を書いて、みんなに喜んでもらいたい」という思いだった。
とはいえ、現在は事務所に所属せず、フリーランスで活動する鼠先輩。作詞作曲やミュージックビデオの制作まで、すべて“自作自演”だったと話す。
「もちろん自腹なのですが、途中で資金が底を尽いてしまって。家のお金も無くなってしまったので奥さんにも怒られましたね。ただ、なんとか実現するため、知人や仕事関係者に頭を下げて協力してもらいました。ミュージックビデオの撮影場所は普段からお世話になっている飲み屋さんなどを無償で貸してもらい、出演者の方々にもノーギャラで快諾していただきました」
完全なセルフプロデュースとなるが、プロの歌手になる以前、映像制作会社など、様々な職を転々としていた。失敗も成功も含めて“いち社会人”として働いてきた経験が活かされているという。
2008年、“ぽっぽ”のフレーズで歌謡曲「六本木~GIROPPON~」が大ヒット。その後、テレビで見かける機会はなくなった。自他共に認める、いわゆる“一発屋”だ。あれから14年の月日が流れ、今度は“ピピポ”のフレーズを携えて、6月18日(土)に新曲「ありがとさん」「ピピポ体操」をリリースするのだとか。満を持して、再び世の中に出ていこうとする理由とは?
コロナ禍で収入ゼロに「何ができるのか、何をやるべきか」
「自分は“歌手”である」知人や仕事関係者に頭を下げて…
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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【鼠先輩の楽曲宣伝費を募るプロジェクト】
“ぽっぽ”の衝撃から14年、鼠先輩の14年ぶりの新曲「ありがとさん」。平成のムード歌謡界を賑わせたあの「六本木~GIROPPON~」を超える超ブチ上げソング爆誕!
・発売記念イベントをやりたい!
・六本木の交差点の大型ビジョンでCMを流したい
・曲を流したアドトラックを六本木で走らせたい
上記を実現させるために、CAMPEFIREにてクラウドファンディングを実施中。
詳細はコチラ→https://camp-fire.jp/projects/view/590363
テイチクレコードの公式サイト→https://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/nezumisenpai/
【伝説の一発屋が蘇る…鼠先輩 新曲発表会】
2022年6月19日(日)13:00 START(六本木某所から生配信)
★YouTube
https://youtu.be/kqajqhZ28Cw
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