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1か月で500万倍に急騰した銘柄も…仮想通貨市場を席巻する「ミームコイン」とは?

1週間足らずで10倍に値上がりする超ハイリターン商品がある。ミームコインだ。価値のないジョークコインがなぜ急騰しているのか。バブルの裏側を探った。

急騰している仮想通貨「ペペコイン」

PEPE

【PEPEは1週間で12倍!】’23年4月に登場したPEPEは超大口投資家の買いの後、バイナンス上場を果たし急騰

 バブル相場の再来を告げる狼煙なのか?  これまで見向きもされなかった仮想通貨が5月に入って急騰している。代表的なのはペペコイン(PEPE)。米国ネット掲示板上で人気化したカエルのキャラをモチーフにした仮想通貨だ。海外取引所の関係者が話す。 「PEPEがローンチされた直後の4月上旬に5兆枚購入した投資家がおり、その人は1か月で500万倍の利益を手にしたと言われています。この急騰を後押ししたのは大手取引所のバイナンス。5月6日にPEPEとFLOKIというイーロン・マスクが飼っている柴犬の名前をつけた仮想通貨を上場させ、ミームコインブームに火をつけた」 「ミーム」とはネット上で流行るネタ画像やスラングのようなもの。仮想通貨投資家のGuko氏が話す。
Guko氏

Guko氏

ミームコインの魅力

「ミームコインの魅力は圧倒的な価格上昇力と娯楽性の高さ。例えば、’20年に登場したSHIB(シバコイン)は1年で150万倍の上昇率を記録しました。役立つ機能もないのに、強固なコミュニティが作られ、人気を呼んだのです。 このように、多くのミームコインは生き物をマスコットにしていて愛着が湧きやすく、若者が宝くじ感覚で買うことが多い。値上がりしなくても笑いのネタにできるなどSNSとの親和性も高い」  実際、ビジョンも目的もないミームコインが大半とか。日本発のミームコインとして知られるMONAを推してきた仮想通貨投資家の田中daisuke氏が話す。 「MONAは電気代のかかるマイニングによって報酬が得られる点から価値の裏づけのある“ハードマネー”に該当しますが、今のミームコインはまったく裏づけのない“イージーマネー”。だから、堂々と『役に立たない、コイン』と謳うプロジェクトも多い。 その点で、かつて草コインと呼ばれたゴミトークンよりは良心的ですが、構図は同じ。ビットコインの値動きが乏しいなかで、暇つぶし目的で草コインやミームコインをイジる投資家が増えているだけ」
田中daisuke氏

田中daisuke氏

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仮想通貨停滞期入りの予兆である可能性も!?
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