「『あいのり』主題歌で新しい景色に」川嶋あい、“母の命日”恒例ライブに終止符、路上時代の思い出を語る
シンガーソングライターの川嶋あいが、8月20日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でワンマン公演「Ai Kawashima20th Anniversary~820~」を開催すると発表。毎年母の命日に開催してきた本公演だが、声帯の不調を理由に今年で区切りをつけるという。
――中学を卒業後、歌手になるために上京。路上で歌い始めたときに、現在も所属されている「つばさレコーズ」のスタッフさんに声をかけられたんですよね。当時、大学生だった彼らと触れ合ってどんなことを思いましたか?
川嶋あい(以下、川嶋):路上ライブを始めた当初は「(地元の福岡県に)帰りたい」と思いながらも、なんとか勇気を振り絞って歌っていたんですけど、スタッフと出会えてからは「東京にもこんなに優しい人たちがいるんだ」と知れて、毎日が楽しくなったんです。たった1人と出会うか出会わないかで、自分の夢に向かっていく気持ちや姿勢も変わっていくんだな、と実感しました。
――つばさレコーズの方々とは、ビジネスパートナーとして長くお付き合いをされていますが、非常にかたい信頼関係を感じます。
川嶋:スタッフと出会った当時は、ラジカセとマイクで歌っていたんですけど、みんなが「弾き語りのほうがインパクトあるよ」とか「制服で歌ってみようよ」とか、アドバイスをくれて、どんどん意見を取り入れました。彼らは当時素人ではあったんですけど「歌手になる以外道はない」というギリギリの精神状態だった私の気持ちを汲んで手を貸してくれていたので、信頼して耳を傾けていましたね。
あとは、路上で歌っていたころ、歌手の夢を後押ししてくれた母が亡くなったんです。誰とも連絡を取りたくないし、居候していた家からも出て、フラフラさまよっていたときに、スタッフから鬼のように着信があって、「こんなにも心配してくれているんだ」と思いました。
当時、自分の辛い気持ちを言葉にはできなかったんですけど、スタッフが、ただ泣いている私のそばにいてくれる時間があって……。あのとき、心が通う瞬間があったと思うし、それ以後は自然と一緒にいる時間も長くなって、会話も増えていきましたね。
I WiSHのヴォーカルaiとしてメジャーデビューし、「明日への扉」「キミと僕」などのヒット曲をリリース、川嶋あい名義の楽曲「旅立ちの日に…」は、今や卒業式の定番曲となるなど、人々の“記憶”に残る楽曲を歌い続けてきた。2023年でデビュー20周年を迎える彼女は、今なにを想うのか――。
今回は8月20日のライブのことはもちろん、路上時代の思い出や現在の活動についてなど、たっぷりと話を聞いた。
路上ライブは勇気を振り絞って歌った
「弾き語り」「制服」スタッフのアドバイスも
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