常連客は84歳。30代風俗嬢が直面した高齢者の性事情「冥土の土産に本番させて」
たった1館での上映から、70館以上にまで公開規模を拡大した『茶飲友達』という映画がある。そのヒットぶりから“カメ止めブームのシニア版”とまで称された同作は、かつて実在した“高齢者向けの売春クラブ”を舞台に、老人の性愛や孤独感にフォーカスをあてた作品だ。
モチーフとなったその売春クラブには、男性会員が1000人、女性が350人、88歳にのぼる会員もいたという。規模に驚いた筆者は、高齢者向けの性風俗について気になり、適当に「高齢者 風俗」とワードを入れて検索をかけてみた。
匿名を条件に、取材を快諾してくれたのは橋本詩織さん(30代・仮名)。容姿を詳らかに伝えることはできないが、スレンダーで端正な顔立ちをしている。
橋本さんが「こころあわせ」に入店したのは、かれこれ5年ほど前。20代前半の頃から風俗や水商売の仕事を転々としてきた彼女だが、あるテレビ番組を観て「こころあわせ」に移籍を決めた。
「いまから5~6年前ほどに、NHKの『クローズアップ現代』で高齢者の性について取り上げていたとき、ここが取り上げられていたんです。それまでデリヘルやキャバクラなどで勤務してきた私からしたら、NHKで風俗店が取り上げられているのにびっくりしたんです」
「私自身もおじいちゃんっ子だったので、祖父が還暦後にどう性に向き合っていたんだろうか……と番組を観ながら考え始めたら、老人の性について興味が湧いたんです。どうせ同じ風俗をやるなら高齢者を相手にしてみようと、思い切って応募の連絡をしました」
自分の都合に合わせて出勤でき、ノルマが一切ないのも魅力だった。当時、事務職の仕事をしていた橋本さんは、副業として月4~5回ほど出勤するようになった。
「お客さんは65~70歳がメインで、会社をリタイアして時間ができたことを機に通う方が多いですね。まだ60代の方は一般的なデリヘルのようにプレイを楽しまれる元気な方が大半ですが、70代に突入すると徐々に元気が衰えていく印象です」
すると上位にヒットしたのが「こころあわせ」というデリバリーヘルスだった。インターネット黎明期を思わせる殺風景なホームページには、しっかりとR18のマークが記されており、内部にアクセスすると「60歳未満のお客様、お断りの店」との文言が記載されている。
一体、どういう女性が働いているのか。60歳を超えた男性の性の実情とは……。早速、取材を申し込んだ。
きっかけは「クローズアップ現代」
老人の性について興味が湧いた
1995年生まれ。大学卒業後、競馬会社の編集部に半年ほど勤め、その後フリーランスに。趣味は飲み歩き・散歩・読書・競馬
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